2012年11月27日火曜日

原発事故に関して:国連人権理事会・報告 

国連・人権理事会から、原発事故後の日本政府の対応が「人権侵害」にあたるのでは?と、調査来日していたアナンド・クローバー記者会見に関する記事です。

●「原発事故、健康調査の拡大求める 国連報告者」
2012.11.26.17:45 【共同】

http://www.47news.jp/CN/201211/CN2012112601001695.html

以下記事より

 「東京電力福島第1原発事故後の日本政府による健康対策などの調査のため来日している国連人権理事会の特別報告者アナンド・グローバー氏は26日、福島県が実施している健康管理調査について「対象が県民などに限られ範囲が狭い」と述べ、政府に対し、より広範囲での調査実施を求める考えを示した。東京都内で記者会見した。
 グローバー氏は15日から来日し「健康を享受する権利」の保護を目的に宮城、福島両県の被災者や政府関係者らからヒアリングを実施。来年6月、人権理事会に最終報告書を提出する。
 健康調査の拡大について、具体的な範囲は明示しなかったが「放射能汚染区域全体での実施」を要請した」
 
国内の関心が低いのか、とっても大きな問題なのに、短い記事です。が、ここからは「放射能汚染区域全体」での健康調査として、福島県以外にも汚染が広まっていることが認識されているのかな?と思いました。
 
アナンド・クローバーの調査に関する声明全文はwebでより詳細な意見が読めます。

2012年11月26日
「達成可能な最高水準の心身の健康を享受する権利」に関する特別報告
アナンド・クローバー プレス・ステートメント 
http://unic.or.jp/unic/press_release/2869/
以下ポイントをぬきだしてみました。
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●年間20ミリシーベルトを明確に批判する部分

「日本政府は、避難区域の指定に年間20 mSv という基準値を使用しました。これは、年間20 mSv までの実効線量は安全であるという形で伝えられました
しました。これは、年間20 mSv までの実効線量は安全であるという形で伝えられました。また、学校で配布された副読本などの様々な政府刊行物において、年間100 mSv 以下の放射線被ばくが、がんに直接的につながるリスクであることを示す明確な証拠はない、と発表することで状況はさらに悪化したのです。

年間20 mSv という基準値は、1972 年に定められた原子力業界安全規制の数字と大きな差があります。原子力発電所の作業従事者の被ばく限度(管理区域内)は年間20 mSv(年間50 mSv/年を超えてはならない)、5 年間で累計100mSv、と法律に定められています。3 ヶ月間で放射線量が1.3 mSv に達する管理区域への一般市民の立ち入りは禁じられており、作業員は当該地域での飲食、睡眠も禁止されています。また、被ばく線量が年間2mSv を超える管理区域への妊婦の立ち入りも禁じられています。」


●「支援法」の早期実施を要請する部分

「東京電力原子力事故により被災した子どもをはじめとする住民等の生活を守り支えるための被災者の生活支援等に関する施策の推進に関する法律」が2012 年6 月に制定されたことを歓迎します。この法律は、原子力事故により影響を受けた人々の支援およびケアに関する枠組みを定めたものです。同法はまだ施行されておらず、私は日本政府に対して、同法を早急に施行する方策を講じることを要請いたします。これは日本政府にとって、社会低弱者を含む、被害を受けた地域が十分に参加する形で基本方針や関連規制の枠組みを定める、よい機会になるでしょう。

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他には、「食品安全の厳格化」、「放射性物質に関する政府データーの公正な扱いと公表」「住民による除染を控えること」、「原発作業員の健康調査」などについて触れられています。

が、自主(区域外)避難の権利、移住の権利などについて、直接ふれられていないのが、残念な気もします。「支援法」が理念通りいかされるよう、言及してほしかったとも思います。
ともかく、こうした見解はぜひとも広めて、日本政府が聞き入れるようにはたらきかけるようにしていきたいですね。客体としてではなく、あくまでも権利行使の「主体」として。

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