2012年12月6日木曜日

東京成人:甲状腺ヨウ素被曝量:5.2mSv~米国防省推計

昨年3月11日から5月までの2ヶ月間の被曝量を、米軍国防省が推計し、ことしの秋に公開したことは、このブログでふれました。

http://shinjyukusunabaproject.blogspot.jp/2012/10/blog-post.html

復興を名目にしたTomodachi作戦に従軍した本人、家族がチェックするためのものです。日本政府は、類似のシステムを作ろうともしていません。そこでOur planet TVがこの米軍のサイト内容を翻訳し紹介しています。

●甲状腺のヨウ素被曝、東京成人5.2mSv~米国防省推計
http://www.ourplanet-tv.org/?q=node/1475

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以下Our planet TV記事 12/05/2012 - 10:47 から抜粋
 米国防総省は今年9月5日、福島第1原発事故後に日本国内に滞在していた米軍兵士や家族など向けに、被ばく線量をチェックできるウェブサイトを開設した。同サイトに示されているのは、2011年3月12日から5月11日までの2カ月間、24時間屋外にいた場合のヨウ素被曝を推計したデータ。計測した場所は、三沢、石巻、仙台、小山、百里、山形、東京、横田、座間、横須賀、富士、岩国、佐世保の13カ所の米軍施設周辺で、新生児~1歳、1歳〜2歳、2歳〜7歳、7歳〜12歳、12歳〜17歳、大人(17歳〜)の6つの年代に分けて、全身と甲状腺のそれぞれの被ばく量を推計している。
 推計しているのはヨウ素のみで、他の核種は考慮していない。また、福島県内のデータはない。しかし、日本では初期被曝に関する推計データを公表していないため、OurPlanetTVは日本語に翻訳し紹介することにした。なお、屋内にいた場合、文科相は木造家屋で0.4の遮蔽率としている。低減率には様々な説があるが、米国と日本の公式なデータと低減率で計算するならば、屋内にいた割合に応じて0.4を掛けると、自分の被ばく量が推測出来る。
 
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以下首都圏のおもな場所を抜粋してみました。
 
●百里基地(茨城県)
計測地:銚子港、石岡市、水戸市、つくば市、百里基地、成田
 
新生児~1歳未満   全身:0.14 rem (1.4 mSv) 甲状腺:2.30 rem(23.0 mSv)
1歳以上2歳未満   全身:0.16 rem (1.6 mSv) 甲状腺:2.70 rem(27.0 mSv)
2歳以上7歳未満   全身:0.104 rem(1.04mSv) 甲状腺:1.70 rem(17.0mSv)
7歳以上12歳未満  全身:0.074 rem(0.74 mSv)甲状腺:1.00 rem(10.0mSv)
12歳以上17歳未満 全身:0.071 rem (0.71 mSv)甲状腺:0.96 rem(9.6 mSv)
大人(17歳以上)  全身:0.075 rem(0.75mSv) 甲状腺:1.00 rem(10.0mSv)
 
●東京(東京都)
計測地:赤坂プレスセンター、ニュー山王ホテル米軍センター、米国大使館
 
新生児~1歳未満   全身:0.079 rem(0.79mSv)甲状腺:1.20 rem(12.0mSv)
1歳以上2歳未満   全身:0.09 rem(0.9mSv)  甲状腺:1.40 rem(14.0mSv)
2歳以上7歳未満   全身:0.061 rem(0.61mSv)甲状腺:0.86 rem(8.6mSv)
7歳以上12歳未満  全身:0.046 rem(0.46mSv)甲状腺:0.53 rem(5.3mSv)
12歳以上17歳未満 全身:0.044 rem(0.44mSv)甲状腺:0.50 rem(5.0 mSv)
大人(17歳以上)  全身:0.046 rem(0.46mSv)甲状腺:0.52 rem(5.2mSv)
 
●横田基地(東京)
計測地:キャンプ朝霞、府中通信施設、米軍深谷通信所、大和田通信所、多摩サービス補助施設、所沢通信所基地、横田飛行場、由木通信所
 
新生児~1歳未満   全身:0.088 rem(0.88 mSv)甲状腺:1.20 rem(12.0 mSv)
1歳以上2歳未満   全身:0.099 rem(0.99mSv)甲状腺:1.40 rem(14.0mSv)
2歳以上7歳未満   全身:0.071 rem(0.71mSv)甲状腺:0.88 rem(8.8 mSv)
7歳以上12歳未満  全身:0.055 rem (0.55mSv)甲状腺:0.54 rem(5.4mSv)
12歳以上17歳未満 全身:0.053 rem (0.53mSv)甲状腺:0.51 rem(5.1 mSv)
大人(17歳以上)  全身:0.055 rem(0.55mSv) 甲状腺:0.53 rem(5.3mSv)

----------抜粋はここまで------------

 広島・長崎の原爆投下後も、残留放射線の測定や、「被爆者」「放射線被害」がでた人々の行動追跡がしばし調査されてきました。「放射能からはできるだけ、遠ざかるほうがよい」というのはこうした教訓から得られたものです。またチェルノブイリ事故の折、すぐあとの5月1日にはメーデーがひらかれ多くの人が外にいて被曝してしまいました。今回、はたして首都圏でそのことがいかされたでしょうか? 

また米軍のデータに頼るのは、しゃくですが原発事故というのは、とりもなおさずこうした事態なのだ....ということです。それにSPEEDIは住民よりもまっさきに米軍に提供されていたのですから。

(当時、首都圏から西方面への退避や、移動を笑ったり、あるいは身を守るために外出をひかえたり、レインコートやマスク姿を「おおげさだ」といった人たち、こどもを守れというスローガンに違和を感じる、親のエゴイズムだなどといっていたひとたちは今現在、この年齢別の被ばく線量差を見て、どう思っているのでしょうか?そのときから身近な友人関係や身内などでも、深い「亀裂」が走っています。放射能に対するリテラシーが欠けていたんだ、と反省してほしいなぁと思います。)
とりあえず、この数値の評価、妥当性はおくとしても、このデータがあとあとの健康被害・発病などの際の基礎情報になると思われます。

なにもかも、まだまだ、これからなんだと思います。

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