福島第一原発から、100キロもはなれた学校。放射能汚染のために、廃校を決めたそうです。
こうした決断をする学校も増えていくことかもしれません。
東北・関東地方の学校に、おおきな波紋をよぶこととおもわれます。こんな風に、しだいに
被害の深さ、根深さがあきらかになっていくのだと思います。
【東京新聞】2012年12月8日・夕刊一面
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東京電力福島第一原発事故の影響で、東京都多摩市に全校避難している全寮制の中高一貫男子校「那須高原海城中学・高校」(栃木県那須町)が今後、生徒を募集しないことを決めた。校舎の周辺は放射線量が比較的高く、生徒を集めるのが難しいという。在校生の卒業を見届けて廃校になる。 (石井紀代美)
校舎は、国が汚染状況の重点調査地域に指定する那須町の農村地帯にある。福島第一からは百キロ弱。正門から校舎を見ると、柱や壁に亀裂が入るなど、東日本大震災の爪痕はいまだに生々しい。
先月下旬、正門前の公道でNPOに放射線量を計測してもらったところ、地上一メートルで重点調査の基準値の毎時〇・二三マイクロシーベルトを上回る〇・五マイクロシーベルト台。地表の芝生上では〇・七~〇・八マイクロシーベルトになった。
震災があった昨年三月十一日、生徒らは那須で一夜を過ごした。翌日からバスで兄弟校の海城中学・高校(東京都新宿区)に移動し、保護者に引き渡された。原発事故が深刻化し、校舎に戻る望みが薄れる中、海城中学・高校で五月から授業を再開した。
首都圏の生徒は自宅から通学。遠方の生徒は、学校が借りた私立大学の寮から通った。今年四月には生徒全員が大学の寮に入り、全寮制を復活。東京都多摩市の廃校になった市立中学校の校舎で授業を受けている。
震災後は学校生活が安定していなかったため、今春入学の新入生募集を見送った。本年度も線量低下のめどが立たず、除染をしようにも「近くに(除染が難しい)森があり、どこまですればいいのか分からないという問題があった」と、塩田顕二郎教頭は説明する。
運営法人の海城学園は先月七日の理事会で「この先、入学者を集めて運営を継続するのは困難」と永続的な募集見送りを決めた。
塩田教頭は「生徒は自然豊かな那須に愛着があり、『第二のふるさと』と言っていた。教員を含め、全員が今でも戻りたいと思っている」と、残念がる生徒らの様子を説明。「校舎が壊れただけなら、直せば済むのに…」と自身も残念そうに話す。中学二年生が卒業する二〇一七年三月にも廃校になるという。現在、東電への損害賠償請求の手続きに入っている。
<那須高原海城中学・高校> 学校法人の海城学園が1991年に100周年を迎えたのを機に、東京都新宿区の海城中学・高校の兄弟校として96年に開校した。豊かな自然に囲まれた環境の中で「新しい紳士」の育成を目指している。震災前は首都圏を中心に、東海地方や九州地方からも生徒が入学。在校生は現在、中学2年から高校3年までの98人。
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この件について「福島大学安全安心な教育環境をめざす保護者の会」の方のご意見です。
これを読む限りでは福島大と100キロはなれた那須でほとんど線量がかわらないというのも
改めて認識しなければ、です。やはりコンパスを広げたような同心円的拡散というのは、
ありえません。
---同じような状況で「このキャンパスは安全だ」と評価し(*福島大のこと)、生徒募集に力を入れて(入学検定料を無料にしてまで)汚染地で大学を存続させようとする組織と、撤退する組織。集十年後に健康被害がでたら、どのように責任をとるのでしょう。結局公立の教育機関は責任の所在が曖昧なので、運営の継続について議論もないまま済んでしまうのでしょうか-----
同感です。また埼玉県三郷市のこどもの尿から、15名中5名にセシウムが検出されたという
ニュースがありました。支援法にもあるように、年間1μSvを超える東北・関東地方の地域では
放射線影響による検診・診断をおこなうべきでないでしょうか?(まず学校であれば、法令で
健康診断が義務化されているのですからに追加項目を増やせばよい)。
これまで意識的な人々は、甲状腺検査、尿検査を個人ですでにおこなってきました。
これまで意識的な人々は、甲状腺検査、尿検査を個人ですでにおこなってきました。
でも、もういずれそれにも限界がくるように思えます。
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