昨年秋、東京で49年ぶりに世界銀行総会が復興のセレモニーとしてひらかれたことは記憶に新しいです。
いまにして思うと、東京オリンピックの前哨戦だったといえます。
つい最近、世界銀行ジム・ヨン・キム総裁は貧しい国での電力開発の必要を認めるも原発開発に"Nuclear power from country to country is an extremely political issue,"/「原子力発電の輸出入は極めて政治的な問題」として難色を示している模様です。代わりに水力・地熱・風力発電に重きをおきたい意向で、おそらく小国の核武装を抑制したいという意向も手伝っての、エネルギーシフトのほうが経済成長にとって有効な投資であるとの判断からの発言でしょう。
ところで、世銀といえば2013年に入ってからもなんと、事故による放射能汚染地区の回復プロジェクト
POST-CHERNOBYL RECOVERY - ADDITIONAL FINANCINGとしてベラルーシ共和国に追加融資をしているということを最近しりました。どおりで。チェルノブイリのWHO、国連科学委員会健康調査などの資料をみていると、かならず「世界銀行」のマークも入っているので、おや?と思ったのです。
世界銀行の融資といえば、とりわけ第三世界各国に福祉切り捨て、公共料金の自由化/値上げ、公務員の縮小などを条件づけて、借金をさせるということはよく知られ、自由主義経済を促進させるもの、ひとびとの貧困化をもたらすものとして、この数年間、多くの批判や抗議の対象となってきました。ベラルーシの融資とくれば、ある意味、核惨事の弱みに乗じて借金をさせているともいえます。
ここでは、ベラルーシのモギリョフ、ゴメリなどの汚染地域の学校の暖房、照明などインフラ、住居整備に融資をしている模様です。ただ、このページを辿っただけでは、どのような「条件」がベラルーシに課されているのかまでは辿れません....実はチェルノブイリ事故についてはソビエト崩壊の一因となったとよくいわれるものの(それは一方で汚染地帯を抱えさせられてしまったウクライナやベラルーシの新自由主義経済への包摂の過程でもあったわけです。ちなみに「チェルノブイリ法」の制定は1991年。ベラルーシの世銀加盟はその翌年。)、私たちはまだ何も知ってはいない、わかってはいないんだなと思います。こういう観点からの研究があれば読みたいと思います。
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