10.3毎日新聞のスクープ・ニュース。福島県と県立医大・山下俊一らが、健康調査の結果、子供の甲状腺がんが発見されたことへあらかじめ「原発事故との因果関係はない」という見解・共通認識を作り口裏を合わせていたという件。
ここへきて、また、このありさま。うっかり「さもありなん」「ああ、そんなことだろうな...」とがっくりして見逃してしまってはいけないなと思いました。
というのも隠蔽・嘘・秘密をくりかえし、「ああ....またか」と人々をあきれさせ、がっくりさせることの反復のうちに、「ささいなこと」と見逃すようしむける構造そのものが、原発と原発に寄与する「医学」を支えてきたありかたそのものに思えます。
というのも隠蔽・嘘・秘密をくりかえし、「ああ....またか」と人々をあきれさせ、がっくりさせることの反復のうちに、「ささいなこと」と見逃すようしむける構造そのものが、原発と原発に寄与する「医学」を支えてきたありかたそのものに思えます。
この一年半以上、私たちはこうしたニュースを聞かされ続け、落胆し、泣き、覚醒し、憤り、つづけてきましたが、ここへ来てその連続のなかで、どことなく「ああ、やっぱりね」といった心性がはたらいてしまうような気がしたからです。ある種のショック・ドクトリン(支配)。もしかすると、こうした「秘密」が暴露されることも、おりこみずみの上で、仕組まれているのかも?とすら、疑わしくなります。
1977年ゲースゲン原発の抗議に参加したのち、「精神異常者」として監禁、投薬、電気ショック治療を受けながら、抵抗をしつづけたアンナ・Rの例をおもいだしました。
「――権威的な核技術と権威的な精神医学のつながりが、アンナ・Rの事件で明白になったのだが、それは偶発的なものでも一回限りのものでもない。行政権は原子力に対する反抗心を心理学的にも打ち砕こうとしているのである。原子力を<受け入れること>へのひそかな誘惑から、神経組織や脳髄に対する公然たる攻撃にまで及んでいる――」 『原子力帝国』ロベルト・ユンク
「どうせ、だましつづけられるだろう」「どうせ、手も足もでないだろう」という思いあがり。
1977年ゲースゲン原発の抗議に参加したのち、「精神異常者」として監禁、投薬、電気ショック治療を受けながら、抵抗をしつづけたアンナ・Rの例をおもいだしました。
「――権威的な核技術と権威的な精神医学のつながりが、アンナ・Rの事件で明白になったのだが、それは偶発的なものでも一回限りのものでもない。行政権は原子力に対する反抗心を心理学的にも打ち砕こうとしているのである。原子力を<受け入れること>へのひそかな誘惑から、神経組織や脳髄に対する公然たる攻撃にまで及んでいる――」 『原子力帝国』ロベルト・ユンク
「どうせ、だましつづけられるだろう」「どうせ、手も足もでないだろう」という思いあがり。
こんごひきつづく「健康被害」の第一歩で、こうした仕打があったことは、記憶しておきたいと思います。「非妥協的であること」「決して許さないこと」「怒り続ける」ためには、醒めた、したたかな冷徹さが必要なのかもしれません。
決別のためには単に原発をなくすだけではことたりない。支配の顔をしていない支配も見抜き、対峙しつづけないとなりません。
●市民と科学者の内部被曝問題研究会/理事長 澤田 昭二 2012年10月5日声明
「福島県が実施中の<県民健康管理調査>の検討委員が事前に<秘密会>を開き、意見のすり合わせ公開の検討委員会のシナリオ作りをしていた事実を満腔の怒りを込めて糾弾する」
決別のためには単に原発をなくすだけではことたりない。支配の顔をしていない支配も見抜き、対峙しつづけないとなりません。
●市民と科学者の内部被曝問題研究会/理事長 澤田 昭二 2012年10月5日声明
「福島県が実施中の<県民健康管理調査>の検討委員が事前に<秘密会>を開き、意見のすり合わせ公開の検討委員会のシナリオ作りをしていた事実を満腔の怒りを込めて糾弾する」
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●【毎日新聞】2012年10月3日福島健康調査「秘密会」で見解すり合わせ
東京電力福島第一原発事故を受けて福島県が実施中の県民健康管理調査について専門家が論議する検討委員会を巡り、県が委員らを事前に集め、秘密裏に「準備会」を開いていたことが分かった。準備会では調査結果に対する見解をすり合わせ「がん発生と原発事故には因果関係はない」ことなどを共通認識としたうえで、本会合の検討委員でのやりとりを事前に打ち合わせていた。出席者には準備会の存在を外部に漏らさぬように口止めもしていた。
検討委での混乱を避け県民に不安を与えないためだったとしているが、毎日新聞の取材に不適切さを認め、今後開催しない方針を示した。
検討委は昨年5月に設置。山下俊一・福島県立医大副学長を座長に、広島大などの放射線医学の専門家や県立医大の教授、国の担当者らオブザーバーも含め、現在は計19人で構成されている。県からの委託で県立医大が実施している健康管理調査について、専門的見地から助言する。これまで計8回あり、当初を除いて公開し、議事録も開示されている。
しかし、関係者によると、事務局を務める県保健福祉部の担当者の呼びかけで、検討委の約1週間前か当日の直前に委員が集まり非公開の準備会を開催。会場は検討委とは別で配布した資料を回収し議事録も残さず、存在自体を隠していた。
9月11日に福島市内の公共施設で開いた第8回検討委の直前にも県庁内で準備会を開いていた。同日は健康管理調査の一環である子供の甲状腺検査で甲状腺がん患者が初めて確認されたことを受け、委員らは「原発事故とがん発生の因果関係があるとは思われない」などの見解を確認。その上で、検討委で委員が事故との関係をあえて質問し、調査を担当した県立医大がそれに答えるという「シナリオ」も話し合った。
実際、検討委では委員の一人が因果関係を質問。県立医大教授が旧ソ連チェルノブイリ原発事故で甲状腺がんの患者が増加したのは事故から4年後以降だったことを踏まえ因果関係を否定、委員からも異論は出なかった。
また、昨年7月の第3回検討委に伴って開かれた準備会では、県側が委員らに「他言なさらないように」と口止めもしていた。
毎日新聞の取材に、県保健福祉部の担当者は準備会の存在を認めた上で「あらかじめ意見を聞き本会合をスムーズに進めたかった。秘密会合と言われても否定できず、反省している。(今後は)開催しない」と述べた。
福島県の県民健康管理調査は全県民を対象に原発事故後の健康状態を調べる。30年にわたり継続する方針で、費用は国と東電が出資した基金で賄う。【日野行介、武本光政】
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検討委は昨年5月に設置。山下俊一・福島県立医大副学長を座長に、広島大などの放射線医学の専門家や県立医大の教授、国の担当者らオブザーバーも含め、現在は計19人で構成されている。県からの委託で県立医大が実施している健康管理調査について、専門的見地から助言する。これまで計8回あり、当初を除いて公開し、議事録も開示されている。
しかし、関係者によると、事務局を務める県保健福祉部の担当者の呼びかけで、検討委の約1週間前か当日の直前に委員が集まり非公開の準備会を開催。会場は検討委とは別で配布した資料を回収し議事録も残さず、存在自体を隠していた。
9月11日に福島市内の公共施設で開いた第8回検討委の直前にも県庁内で準備会を開いていた。同日は健康管理調査の一環である子供の甲状腺検査で甲状腺がん患者が初めて確認されたことを受け、委員らは「原発事故とがん発生の因果関係があるとは思われない」などの見解を確認。その上で、検討委で委員が事故との関係をあえて質問し、調査を担当した県立医大がそれに答えるという「シナリオ」も話し合った。
実際、検討委では委員の一人が因果関係を質問。県立医大教授が旧ソ連チェルノブイリ原発事故で甲状腺がんの患者が増加したのは事故から4年後以降だったことを踏まえ因果関係を否定、委員からも異論は出なかった。
また、昨年7月の第3回検討委に伴って開かれた準備会では、県側が委員らに「他言なさらないように」と口止めもしていた。
毎日新聞の取材に、県保健福祉部の担当者は準備会の存在を認めた上で「あらかじめ意見を聞き本会合をスムーズに進めたかった。秘密会合と言われても否定できず、反省している。(今後は)開催しない」と述べた。
福島県の県民健康管理調査は全県民を対象に原発事故後の健康状態を調べる。30年にわたり継続する方針で、費用は国と東電が出資した基金で賄う。【日野行介、武本光政】
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