2014年12月1日月曜日

「現実の彼方、またはまやかしの理想―原発を選んだ日本の核有事・住民移動管理政策」


“Beyond reality – or – An illusory ideal: pro-nuclear Japan’s management of migratory flows in a nuclear catastropheCécile Asanuma-Brice
つまるところ、「放射性物質からはできるだけとうざかる」「できるだけ浴びないようにする」が原爆被害、過去の核災害からの教訓であり、原則であるにもかかわらず。

なぜ、日本政府は許容線量を20ミリシーベルト/年間にまでひきあげた上で、
「帰還政策」を推奨するのか。

『現実の彼方、またはまやかしの理想―原発を選んだ日本の核有事・住民移動管理政策』
都市社会学研究のセシル.浅沼.ブリスさんによる力作
復興政策のキーワードになっている「レジリエンス」概念。日本財団(チェルノブイリで甚大な支援をおこなってきた旧「笹川財団」)の主催する「国際会議」でもこの「レジリエンス」がうたわれていました。
科学、都市工学、災害社会学、いろいろな文脈で使用されているようですが、てっとりばやくいうと、災害、トラウマなどからの人「回復する力」を重視するという概念。 
この間「復興政策」「国土強靭化政策」の中でも謳い文句にされてきました。
この使用は、「自然災害」と「人災/科学禍」との境界をかぎりなくあいまにしてしまう。

この概念を、原子力災害に適応すること、高線量地への「帰還」を推奨する
日本政府また、その背景にあるエートスプロジェクトなど、原子力シンジケートについても、
警鐘をならしています。

日・仏・英語版あり。必読
「神奈川大学評論」11月号に掲載


こちらは関連して
「福島への帰還を進める日本政府の4つの誤り-隠される放射線障害と健康に生きる権利」
旬報社  http://www.junposha.com/catalog/product_info.php/products_id/939?osCsid=lg5iubto5011r0lj6r4rlaofo2




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