2012年6月26日火曜日

都内初の「除染」。都内臨海・東部の放射能汚染調査について

6月25日報道された、都内「初」の除染について。この報道に先だって、
「しんぶん赤旗」2012年6月12日に、除染にいたるまでの独自調査結果
についての関連記事がありました。

東京都臨海部・東部の放射線量にあわせて「土壌分析」結果の地図が掲載さ
れています。

のちのち...今後数年にわたって予想される影響がでた折の、貴重な
【記録数値】にもなると思い、掲載しておきます。

これをみると国の放射性廃棄物基準値8000ベクレル/kgよりはるかにうわ
まわる帯状のホットスポットに包囲されてしまっている、おどろくような状態
です。

また、目がとまったのは、「空間線量」(Sv=シーベルト)と「土壌分析」
(Bq=ベクレル)の数値の高さがかならずしも比例一致しないことです。

これをみてほんとに、線量だけ聞いて安心するのではなく、実際の
「土壌分析」が、いかに大切か、と思わせるに十分な対比です。





----東京都葛飾区水元公園の第2駐車場内の土から1キログラムあたり25万ベクレルを超える高濃度の放射性核種(セシウム134、137)を検出したことが11日、日本共産党東京都議団の測定で明らかになりました。
 調査は2~6月に、東京の臨海部から東部地域を中心に歩道や公園、団地など116地点の空間放射線量と55地点の土壌の放射能濃度を測定。国の焼却灰などの管理型最終処分場の基準(1キログラムあたり8000ベクレル)を超えたのは、中央、港、墨田、江東、荒川、足立、葛飾、江戸川の8区の34地点でした。
 25万1000ベクレルを検出した地点と水元公園第2駐車場内の植え込み内の11万2000ベクレルを検出した地点は、子どもたちが出入りできる場所です。11万ベクレルを超えた地点は文科省のガイドライン(地上1メートルで毎時1マイクロシーベルト以上)を超える毎時1・10マイクロシーベルトでした。
 記者会見で、かち佳代子都議は、毎時1マイクロシーベルトを超えた地点があったにもかかわらず、放置していると批判。「都は早急に測定・調査すべきだ」と強調しました。
 党都議団は同日、石原慎太郎知事あてに、全都有施設、植え込みや側溝などにたまった土壌など、きめ細かな測定と放射線の影響を食い止める対策を早急に行うことを要請しました。都環境局は「明日の(日本共産党の)代表質問で答弁する」と答え、建設局は党都議団が9日に調査結果を伝えた後も調査も立ち入り制限もしていません。
----以上 2012年6月12日 「しんぶん赤旗」記事より----

都内で“初”の除染・葛飾区・水元公園で




「東京都内で“初”の除染」のニュースです。
 葛飾の水元公園では単に線量が高いだけでなく、土壌分析調査でもチェルノブイリ移住区域、あるいは強制移住区域なみの高ベクレル・セシウムが検出されていたと記憶しています。
「東京都内」への放射性物質の拡散は、なかなか政府も東電も認めようとはしないと予測していました。それでも葛飾区内の、もともと大気汚染公害に取り組んできたグループや、地域の子供を守る会などが、市民の自主計測や申し入れを頻繁に行ってきたこともこの結果の一助となっています。除染一般の問題は、ひとまずおくとして、まず都内に暮す人々への意識を喚起させる、出発点になるのではないかと思います。
また一部にこれだけの線量が確認されているのですから、公共地以外の生活空間に相当な汚染が手つかずのまま、放置されているのだと思います。
今後、学校の校庭などの汚染状況の調査や、都内に暮す人々の、医療検査、補償、避難・保養について、理解がひろまり、促進されることを切に願います。なにより、首都東京も原発事故の「被害」を受けている、「被災地」なのだという認識を促すことにつながれば、と思います。

―――
◆ 日経ニュース2012年6月25日配信
「都立水元公園で基準値越える放射線 東京都、初の除染へ」   
http://ht.ly/bNUFW  以下全文
 ―東京都は25日、都立水元公園(葛飾区)の駐車場付近の植え込みで、地上1メートルの空間放射線量を調査し、最高で毎時1・22マイクロシーベルトが検出されたと発表した。都は文部科学省と調整し、除染などの対応をとることを決めた。都が都内で除染を実施するのは初めて。
... 国は周辺より1マイクロシーベルトを上回る地点を除染の対象としている。同公園内の場合は、1・16マイクロシーベルト以上が基準となる。
 都建設局が同日午前、公園の駐車場近くの植え込みなどを測定したところ、14地点のうち、9地点で1・16マイクロシーベルトを上回った。これらの地点は柵で囲って立ち入れないような措置がとられている。   同公園の駐車場周辺は、共産党都議団が独自に測定し、都や文科省に指摘していた。


◆時事ドット・コム2012年6月25日配信
「都立公園に<ホットスポット>=近く除染へ―東京都」
http://jiji.com/jc/c?g=soc_30&k=2012062500791 以下全文


―東京都は25日、都立水公園(葛飾区)の駐車場で、放射線量が局所的に高い「ホットスポット」が見つかったと発表した。地表から高さ1メートルの空間線量が毎時1.16~1.22マイクロシーベルトの地点が確認され、除染の目安となる文部科学省の基準をやや上回った。都は原因を調査した上で、近く除染を行う方針。
 ホットスポットが見つかったのは、駐車場内の2カ所の植え込みで、現在は人が立ち入らないように柵で囲っている。共産党都議団の通報を受け、都建設局が測定した。都が管理する施設でホットスポットが見つかったのは今回が初めて。

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いくら隠そうとしても、実際の汚染の数値は、隠しきれないのだと思います。また一年半もこうした

状況を放置してきた都の不作為に、なにより強いいきどおりを感じました。

2012年6月22日金曜日

ベクレル派という蔑称 ベクレル派という、ほまれ

かつてチェルノブイリ事故の折、日常生活や地域でおもに母親たちを中心とした「放射能防御」
のうごきがひろまったそうです。そうした動きは、当時反原発派のなかでも、「放射能を怖
がっている」として「ベクレル派」という<蔑称>でよばれたりもしたそうです。

当時ベルリンに在住でチェルノブイリ事故を体験した田代ヤネス和温「チェルノブイリの雲の下で」(1987年・技術と人間社)という本があるそうです。絶版となり入手しづらいのですが、以下の
ブログでくわしく紹介されています。

http://tokyopastpresent.wordpress.com/2011/08/25/%e3%80%8c%e6%97%a5%e5%b8%b8%e7%9a%84%e3%81%aa%e6%94%be%e5%b0%84%e7%b7%9a%e9%98%b2%e8%ad%b7%e5%af%be%e7%ad%96%e3%81%8b%e3%80%81%e5%8f%8d%e5%8e%9f%e7%99%ba%e3%81%ae%e6%94%bf%e6%b2%bb%e3%81%8b%e3%80%8d/


 この背景には、かつて冷戦が激しかったころ、イギリス政府がうちだした<核戦争を生きぬく>ための民間防衛奨励政策(日常訓練や、核シェルターつくりなど)=Protect for Surviveという政策をもじってイギリスの反核団体 CND=Campain for Nuclear disarmament (あの鳩の足のマークを最初に考案したグループです)が、 Protest for Survive というスローガンで対抗したという出来事も影響しているのかな、とも思います。
核、放射能に対して、Protect =「身を守る」というのは、かえって放射能が防御可能なものであるという幻想を生んでしまう、そうしたProtectではなく、抵抗=Protestしてこそ、核は廃絶できる、という主旨でした。
 けれども...。実際、首都圏からわずか200キロの福島で「事故」がおきてしまった、そんなもとで暮らしていかざるを得ない「わたしたち」にとって、狭い意味での政治的な抗議=Protest だけが唯一の正しい方法であるかのような前提で、「放射能防御」=Surviveの日々の営みや、放射能を恐れる気持ちそのものにふたをしてしまったり、生活の中でのちいさな実践を侮蔑するのは、おおいにまとはずれであると思います。
今、反原発、再稼働反対の声はとうぜんのように高まっていますが、一方で「放射能から身を守る」「気にする」「計測する」「瓦礫の受けいれに反対」などの行為や実践に対しては、そうした「政治的課題」に比して、どうも「冷静さを欠く」「計測してなにになるの?」といったような批判的な声もきかれます。
 でも考えてみれば、これはいまにはじまったことではなく、生活実践と政治、とを切り離して考える傾向をもちがちな、「運動」に、もういちどその区分の再考をせまっている事態なのだと思います。

 そういえば東京都内の高線量地域のあるマンションの高齢の管理人さんが、この一年、それまでより以上に熱心にマンション敷地のそうじをはじめたそうなのです。デッキブラシでごしごしごしごし、草刈機もいつのまにか購入して夏場にはギンギン鳴らしている。。。あまりの熱のいれよう、そして、いささかそのやかましさも気になって、住人がはなしかけてみると

「よく知らないんだけど、草だの、おちばだのどろんこだの、ほうしゃのうがたまって、こどもに危険なんだってきいて、念入りに掃除しなくっちゃって思ってね」という返事がかえってきたのだそうです。

「ふだんはいたずらばーっかで、にくっつらしいけど、みーんないい子たちなのにね。

原発だとかね、むずかしいはなし、わかんないけど、はらがたってねー。

みーんないい子たちなのにね。」

といってデッキブラシで、ごしごしごしごし。

きっと、こういう小さなできごとが、いたるところで起こっているのではないでしょうか。

そんなひとこまの前に、いままでの「尺度」や「価値観」や「枠組み」や「言葉」を、いちどすっきりてばなして、よりこまやかに、こまやかに、ものごとにあたる、自分は何をたべているのか、となりの人はなにをたべているのか、じぶんのみをとりまく土、コンクリート、砂、こどもがどんなふうに遊ぶのか、そうしたことに五感をこらしてみる。

そのことからはじめてみる、ことがだいじなんじゃないかなと思ったりします。

2012年6月17日日曜日

「まっぴらごめん放射能」 常総生協のトラック

一部ですでに話題になっているようなのですが、常総生活共同組合のトラック、だそうです。
記録として投稿しておきます。


「まっぴらごめん、放射能」 このあたりまえのひとことが、言えなくさせられている
風潮のなかで、なかなか、いなせです。


 

暫定基準引き上げのただなかで、「食べて支援」に流れてしまった
生協もあるなかで独自のとりくみをしたところも。

おそらくこのトラックの生協組合の方だとおもわれるのですが、事故後いち早く母乳計測を行ったグループにも、参加されていたようです。

また「主婦」のひとたちがチェルノブイリ事故被害関連の論文の翻訳着手したり、行政とは別のとりくみとして、子供たちにガラスバッジ配布して、じぶんたちで「被曝量」を知るため「対抗的調査」をしたり。

字義通り、本来的な意味での「生活共同組合」としての活動だなと思いました。



以下、覚書風にいくつかWebからは時間ぎれで消えてしまったようなので関連記事を記録しておきます。


---- 毎日新聞 2011年12月27日より---
「過少評価の現状に憤り」
 常総生協(本部・守谷市)は26日、チェルノブイリ原発事故による健康への影響を解析したドイツの
医師による英語論文の翻訳作業を始めた。組合員の主婦ら女性19人が手分けして65ページの原文
に取り組む。東京電力福島第1原発事故による放射性物質汚染の影響を考える参考資料として、年
明けの勉強会のテキストにする。
 組合員有志が9月に発足した「脱原発とくらし見直し委員会」(42人)に村井和美理事長が呼び掛け
たところ、「みんなでやるしかない」と守谷、つくば、千葉県柏市などの子育て中の母親を含む女性19
人が手を挙げた。元英語教師もいるが、大半は普通の主婦。英和辞典と首っ引きで訳し、正確を期す
ため放射線医学の専門家に監修を依頼する。
 論文は「核戦争防止国際医師会議」(IPPNW)ドイツ支部が今年4月発表した「チェルノブイリによる
健康影響-原発事故から25年」。雑誌「科学」(岩波書店)11月号で崎山比早子氏が掲載した論文で
、原発事故処理者ががんだけでなく、消化器、内分泌系をはじめさまざまな病気にかかる率が年ごとに
高まっているデータなどを詳述していると紹介したことに着目。「日本では健康の影響が過少評価されて
いる。原典に当たって勉強するしかない」(大石光伸副理事長)とウェブサイトから原文を入手した。
 村井理事長は「母親たちは必死。翻訳をやったことが無くてもスイッチを入れるのは自分のハート。
以心伝心で一緒に動いている」と話す。【安味伸一】

--- 毎日新聞 2012年1月11日より---
常総生協(本部・守谷市)は11日から、組合員の子供ら100人にガラスバッジ(個人線量計)を付け、
放射線の累積線量を測る調査を開始する。期間は1カ月。東京電力福島第1原子力発電所事故によ
る外部被ばくを調べるためで、組合員の要望に基づき、生協が独自に取り組む。
 「うちの子供がどれだけ被ばくしたのかを知りたい」などの声を受け、事故後1年を前に実施を決定。

生協が先月、組合員の家族のうち小中学生を対象に50人を募集したところ、応募した子供の数は2
倍の110人に達した。1世帯3人の応募もあるなど関心が高く、1世帯1人までとして応募全世帯の
95人を対象とした。
対象者の居住地は、つくば、取手、守谷、土浦、つくばみらい、竜ケ崎、牛久市と阿見町に加え、

千葉県我孫子、柏、松戸、流山市の12市町に上る。

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どうか福島はもちろんのこと他にも関東平野に広まっている、高放射線量地での防御対策、
避難や保障も促進されますように。

2012年6月15日金曜日

「文科省、子どもの放射線量目安 不手際認める」(20mSv/年間)」

昨年「緊急被曝状態」ということで文科省が上限をICRPの最大値、20mSv/年間にひきあげた
件について、いまになって文科省は「不手際」を認める方向で「報告書」をまとめているらしです。
 いまさら...こどもの「生きる」「成長」の時間はあとにもどせませんし、「被曝」は取り消せません。いまさらのこの姿勢、ICRPかWHOから指摘があったのか?といぶかしくも。
 「文部科学省、子どもの放射線量目安 不手際認める 」   
612 631NHK配信ニュース



http://www3.nhk.or.jp/news/html/20120612/k10015763221000.html
上記のURLでまだ配信されているので、ぜひご覧ください。またあくまでこれは報告書「案」の段階ですから
削除しようという動きもおこるかもしれません。
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東京電力福島第一原発の事故を受けて、文部科学省が学校の屋外活動を制限する放射線量の目安を年間の積算で20ミリシーベルト未満とし、保護者などから批判が相次いだ問題で、文部科学省は、当時の対応を検証する報告書の案で「保護者の立場に立って、不安に真摯(しんし)に応える姿勢が十分ではなかった」と不手際を認めていることが分かりました。
しかし、なぜ20ミリシーベルトより低い目安に設定できなかったか、詳しい経緯は検証されておらず、専門家は、検証が不十分だと指摘しています。
福島第一原発の事故を受けて文部科学省は、去年4月、学校の屋外活動を制限する放射線量の目安を海外の専門機関が原発の非常事態の収束後は住民の被ばく量の上限を年間1ミリシーベルトから20ミリシーベルトにするよう勧告していることを参考に20ミリシーベルト未満にすると発表しました。これに対して、保護者などから子どもに20ミリシーベルトは高すぎるという批判が相次ぎ、文部科学省は、1か月後に子どもが受ける放射線量を年間1ミリシーベルト以下を目指すと発表し、事実上修正しました。
これについて、文部科学省が当時の対応を検証した報告書案では「説明不足などで、20ミリシーベルトを子どもたちの許容限度として定めたかのような誤解を招いたことは反省すべきだ」としたうえで「保護者の立場に立って、不安に真摯に応える姿勢が十分ではなかった」と対応の不備を認めていることが分かりました。
しかし、当時、目安を低くすべきだという意見が原子力安全委員会の委員や専門家から出ていたにも関わらず、文部科学省でこうした意見がどう考慮されたかや、なぜ20ミリシーベルトより低い目安にならなかったのかなど詳しい経緯は明らかにされていません。
福島第一原発の事故を検証した民間の事故調査委員会の北澤宏一委員長は「科学的な放射能の影響と社会的、経済的な影響を考えてどういう議論を経て20ミリシーベルトに決まったのか明らかにされていない。今後の教訓にするためには組織内部だけでなく、外部の目も入れて検証すべきだ」と指摘しています。

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2012年6月5日火曜日

6.7国会前 緊急ダイ・イン★アクション「原発いらない 福島の女たち」

とても急なのですが、6月7日(木)「原発いらない福島の女たち」のよびかけによって、
国会前で、再稼働に反対し、ダイ・インアクションが予定されています。


ぜひ支援とご注目をおねがいします!そして雨が降らないこと、そしてなによりアクションの成功
を祈ります。参加される方は、以下のブログで時間、場所などをよくチェックしてからおでかけ
下さい。
「原発いらない福島の女たち」
http://onna100nin.seesaa.net/

国会前とはいえ、ねころがったり座ったりするので、レインコートとかマスク、もってる方はガイガーカウンターなどあるといいかもしれません。

「原発いらない福島の女たち」の方々にとっては、それぞれ生活の上での困難を抱え、お子さんがいらっしゃる方は避難や保養の促進、安全なたべものの確保、行政交渉などの合間をぬって、また日常生活での育児、子育て、介護や看護の合間をぬっての行動です。去年の秋の「座り込み」もそうでしたが、こうした直接的なアクションをどんどん提起されています。そのことを思うだけで胸があつくなります。状況は絶望的なのですが、無名の、草の根の女の人たちのこうした動きに最大級の希望を感じます。

そして福島の女性たちのこうしたアクションは、首都圏はじめ、あらゆるそのほかの地域で、たべものや日常生活上の放射能防御についての活動をおこなっている女性たち、避難した方たちとも、「物理的」な「距離」、実測上の「距離」を超えてじつは、しっかりつながっているのだと思います。

よく、福島から200キロはなれた首都圏や、それ以西の地域で食品などの放射能汚染や、内部被曝、身体、健康のことなどにとりくむことに対して、「福島はもっとたいへんなのだから」とか「離れたことろでさわぎたてることは、大げさだ」、とか「健康にあまりに気づかいすぎるのは差別につながる」などの声を耳にします。

でも、それは実情をとらえていない憶測なのだなと思うことがしばしばあります。
最近、「公害に第三者はいない」(宇井純)という言葉を知りました。内部被曝について、食品汚染
や健康問題にとりくむ動きは、原発事故に際して、「第三者ではない」という姿勢で原発にむきあっているのだと思います。けれども、「現地はもっとたいへんだから、私たちは多少の文句はいわずおとなしくしよう」「騒ぐのは福島の人に申し訳ない」というような思考方法は、「犠牲の累進性」とよくいわれるように、「もっと気の毒な人」「もっとも過酷な人」を想定して、自分自身の抱える困難や受難に、ふたをしてしまう態度であり、結局は、原子力産業のおしつける「受忍論」に甘んじてしまうこととなります。

実際は計測や放射能防御にとりくむ人たちは、福島の方々と、あるいは関東の高線量にすむひとたちともよく出会っている。そしてひとたび放射能に話題が及ぶと、ほんとうに即はなしが通じるのです。放射能をあなどらない、自分自身の恐怖や不安にふたをしないことで、実は、住む場所、距離を超えて、原発立地点、立地県、周辺地の人々と、そうしたつらさをわかちあえる...そんなふうに、実はみえないところで、しっかりむすびついているのではないかな?と思います。

2012年6月4日月曜日

“興奮している奥さんそのものが<放射性物質>”だそうだ。

もう、こうなってくるとあきれるをとおりこして、笑いがとまらない。

原子力研究開発機構の<住民視点のわかりやすいメッセージ発信をめざして>
という広報記事のなかで、以下のような記事があり、一夜のうちにたちまち抗議をうけて、
削除されたとのこと。


きょうび準・公的機関で「奥さん」というよびかたをつかうとは、いわずもがな。
しかも、いうにことかいて、

  「奥さんの”怒り声”が<放射線>」
  「怒鳴り声を上げてしまうような奥さんの”興奮している状態”が<放射能>」
  「怒って興奮している奥さんそのものが<放射性物質>」

だって。いったいどんな「奥さん」だよ。

以下Our Planet TVより。
http://www.ourplanet-tv.org/?q=node%2F1371




「安全神話」にふかくふかく根づいている「女性蔑視」、「主婦蔑視」が馬脚をあらわした。
と同時に、放射性物質、放射能をおそれている人々をはなから愚弄しているのがみえみえ。

こういう姿をさらしてくれると、こちらは追い風にのり、すこぶる調子づいてくる。

付記:あとで判明したが、この広報を担当したのは、「女性」とのこと。
「同じ性」に属しながら、ほかの女性の日常的な営みや、生活世界でのしごくまっとうな葛藤を
下位に位置付け、「後進的」とみなして「啓蒙」
的な態度で、「批評」と称し、「自分とはちがう」
というようにふるまい、結果的に「差」を保ちたがるのは原子力産業に限らず、
アカデミックな世界、「エリート」の「女性」にもありがちなこと。

けれども、3.11以降、草の根で食品汚染のことや計測などでうごいている女性たちは、
こうしたおせっかいなど
鼻から相手にせず、放射能について、内部被曝について、医学について、
科学について、膨大な知的蓄積をつみかさねている。

この件に関しても、従来フェミニズムとは縁遠かった人々が、そうした「言語」を共有していなかった
人々が、ストレートに、まっとうに怒っている。

「あたしたちは、こんな奴らにおそわらなくたって、放射能、放射線、放射性物質についてなんて
ちゃーんと知っている。」

福島原発告訴団原告1000名以上 6.11に提訴

昨年から準備をすすめていた福島原発告訴団です。原告は1200名以上におよびました。
第一次提訴は6.11を予定しています。。


●福島原発告訴団 
http://kokuso-fukusimagenpatu.blogspot.jp/
また秋には第二次原告団として、福島県以外の「原告」もつのります。秋からの二次には私もくわわろうと思います。
原発事故の影響が広く首都圏にもおよんでいる/およびつつあることを、隠蔽させないために、です。


リーフレットより
Q.「誰でも告訴人になれますか?」
A.「被害を受けた可能性のある方なら誰でも告訴人になれます。未成年者や日本国籍以外の方でも大丈夫です」

Q.「告訴人は福島県民だけですか?」
A.「第一次の提出は福島県民(全国に避難中の方を含む)とします。第二次以降の提出は、福島県以外の方も対象

とします」

とのこと。詳しくは以下リーフレットと告訴団のホームページにて。



 
 


 































 

 福島原発告訴団 

 http://kokuso-fukusimagenpatu.blogspot.jp/
 

 原告呼びかけのダウンロードは以下でできます。
 http://dl.dropbox.com/u/63571822/%E5%A4%96.pdf
 http://dl.dropbox.com/u/63571822/%E5%86%85%20(1).pdf