2012年7月19日木曜日

「東京電力原子力事故により被災した子どもをはじめとする住民等の生活を守り支えるための被災者の生活支援等に関する施策の推進に関する法律」について

6.21に『東京電力原子力事故により被災した子どもをはじめとする住民等の生活を守り支えるための被災者の生活支援等に関する施策の推進に関する法律』が成立しています。

被災者・被害者はもちろんNGOや市民の声を反映し
「過去の薬害や原爆被害の教訓を生かし、被害者に立証責任を負わせる仕組みとならないように工夫」した点、「内部被曝」という文言が盛り込まれた点は、「画期的」といわれています。

ただし、この法律自体、「理念法」のようなものであり具体的な避難の基準・施策・対策の実現などは今後、政令などによることになります。各自治体は、人口減や評判を気にして、なかなか「避難の促進」「支援」にのりださないことも予想されます。今後のなによりの課題と争点になるのは、「被ばく」をめぐる「数値」について。

以下、日弁連会長声明。「国際放射線防護委員会(ICRP)の勧告である一般公衆の被ばく限度量である年間1mSvを超える放射線量が検出される地域を<支援対象地域>とすべきである」と主張しています。(これが実現されれば福島に限らず、東北、関東に点在する高線量地域の避難や支援策も促進されることでしょう)。

また、この法律をより実効性・具体性あるものとするため、また被害者・被災者の声を反映させるために「原発事故子ども・被災者支援法市民会議」も発足しているので紹介しておきます。
◆日弁連
http://www.nichibenren.or.jp/
◆2012年6月21日 
「東京電力原子力事故により被災した子供をはじめとする住民等の生活を守り支えるための被災者の生活支援

等に関する施策の推進に関する法律の成立に関する会長声明」http://www.nichibenren.or.jp/activity/document/statement/year/2012/120621_3.html
◆Greenpeace Japanより:市民会議設立についての記事。
http://www.greenpeace.org/japan/ja/news/blog/staff/blog/41325/

◆「原発事故子ども・被災者支援法市民会議」PDF
http://www.greenpeace.org/japan/Global/japan/pdf/20120710_01.pdf
◆「原発事故子ども・被災者市民会議要綱」PDF
http://www.greenpeace.org/japan/Global/japan/pdf/20120710_02.pdf



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以下、法案の設立経緯・課題がわかりやすくまとまっている記事です。
◆2012年7月10日「週刊東洋経済」
http://www.toyokeizai.net/business/society/detail/AC/2c11015f9d13a02dd117a4fc7ef59cc8/
 日本弁護士連合会日弁連
は7月10日、6月21日に可決成立した「原発事故子ども・被災者支援法」に基づく具体的な支援策の早期実施を求め、参議院議員会館で集会を開催した。
原発事故子ども
被災者支援法は、超党派の議員立法として成立した。法律では、低線量被曝が健康に与える危険性が科学的に十分解明されていないという前提のもと、原発事故被災者が、被災地にとどまるかあるいは避難するかにかかわらず、適切な支援を受けられることをうたっている。また、原子力政策を推進してきた国の社会的責任を認めた内容となっている。
 原発事故被害者
の支援・救済が進む画期的な内容をもつ同法だが、法律自体は理念法・基本法であり、具体的な支援政策はこれから個別法案の制定や政令などで定められていくことになる。このため、集会に出席した衆参の各国会議員からは、「異例の超党派の協力で法案を成立させることはできたが、被害者の声を反映し、支援が実効性を伴うよう努めたい」といった発言が相次いだ。
 また、この法律による支援の対象となる「支援対象地域」は、具体的な基準が定められていない。このため、日弁連
はじめ出席者らは、いたずらに支援対象地域が狭められることがないよう、支援対象地域を、「追加被曝線量が年間1ミリシーベルトを超える地域」とすることを改めて強調した。
 参加した被害者や市民団体からは「福島県外へ避難した被害者への支援や、週末避難などへの支援を実現してほしい」といった声が上がった。
 この集会に先立って、被害者の声を支援施策に反映させていくことを目指し、原発事故の被害者団体・被害者支援団体が、「原発事故子ども・被災者支援法市民会議」を設立した。日弁連ではこの市民会議などと連携し、原発事故被害者の救済・支援の充実を求めていく方針だ。
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