「被爆者新生児 放射線研究に利用」
米軍病理研究所が保管していた広島・長崎の被爆者、新生児のカルテが広島市立
学・広島平和研究所の高橋博子講師の調査によって新たに発見されたそうです。
同内容の記事は東京新聞にも掲載されていましたが北海道新聞のほうがより踏み
込んだ記事なので紹介しておきます。
記事中には、原爆投下後新生児が生まれると戦時中の妊婦への配給制度を利用し
ABCC(原爆傷病調査委員会)に通報され、また新生児が死亡した折にはすべて
解剖にふされたとの関係者の証言もよせられています。
何度も確認されてきましたが、こうした熱意ある発見/研究により、説得性をもちます。
おりしもちょうど昨日は内部被曝問題研究会の第一回目のシンポジウムも開かれました。
「市民と科学者による内部被曝問題研究会」
http://www.acsir.org/
こうした姿勢と研究をそのままうけつぐのが、いや誕生と当時に「原子力」利用の追認その
ものが放射線医学あり、放射線医学研究所であり、山下俊一なりであることも、
もはや説明の必要もなく、常識となりつつあります。
昨日の内部被曝研究会での肥田舜太郎氏のおはなしでは
「医師国家試験も、放射線防護学も―日本の大学での学問研究はIAEA(国際原子力機関),
ICRP(国際放射線防護委員会)の基準にもとづいている。だから、仮にECRR(ヨーロッパ放射
線リスク委員会=チェルノブイリ事故の2年後、1988年に発足)の基準で「解答」を書いたら、
すべて<誤り>となり、“落第”“不合格”となってしまう―。」
とのことでした。
従来、「“原子力”の平和利用」という言い方がされてきたけれども、
このいいかたにしも正確ではない、とすら思えます。
かりに「核兵器の平和利用」といいかえてみれば、私たちがすごし、
そして今迎えている事態の「倒錯」がより明瞭になります。
とんでもない殺傷の装置をかかえこんでしまっているのです。
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