2012年1月23日月曜日

崎山比早子医師:二論文:雑誌「科学」より

以下URLで二つの「科学」(岩波)に掲載の崎山比早子医師の二つの論文が読めます。
内部被曝に関心をもち、とりくもうとしている人たちの間では基本中の基本認識です。
子供が放射性物質に関する「感受性」の弱い、放射能“弱者”であること、また事故の
影響は、今後しばらくたってからあらわれはじめるであろうこと....。

「放射能防御に関心をもつ」「気にかける」ということは、単なる「汚染」への忌避感情から
くるものではなく、こうした過去の事例から推論できるリスクの「最大値」を参照してのこと
なのです。

またこの間、政府がSPEEDIの拡散情報を、国内では隠蔽し、米軍・米国政府には9日間
も先に公開していたことがわかりました。政府がいいつづけた「安全」「安心」といういい方
ははさらにさらに、失墜しました。

そうした暗闇のなかで、過去に把握されている事例から、リスクを最大限に認識し、それに
したがって「相対的にリスクをへらすよう」行動する、というごくあたりまえの行為です。
いましきりに医療にかかる時に複数の医師の意見を参考にするように、と「セカンドオピニ
オン」が推奨されています。放射能と健康被害についても、「気にかける」「防御を心がける」
という人々は、ごく当たりまえにそのことを行っているともいえます。

それでもまだまだ周囲との「温度差」。「気にするほうがおかしい」「非科学的」という、
無言の圧力や、まわりの心ないい行動や言動で、息苦しさを感じているかたもいらっしゃる
ようです。まずは今一度、まわりの方とぜひ共有して下さい。

「放射性セシウム汚染と子どもの被ばく」 『科学』 2011年7月号
http://takasas.main.jp/down/Kagaku_201107_Sakiyama.pdf
「原発事故と低線量低線量放射性被ばくによる晩発性障害」 『科学』2011年6月号
http://takasas.main.jp/down/Kagaku_2011-06_Sakiyama.pdf

リンクもとは

2012年1月7日土曜日

“市民”と“科学者”による「内部被曝研究会」設立のよびかけ

12月16日に野田首相の「冷温停止状態宣言」があり、早速年明け、1月から福島での
セシウム下降量が急上昇したという情報...(一般の報道はみごとなまでにまったくありません)。
都内の空間線量を確認したところまださほど上昇はみられないとのことですが、「安心」の
予断はありえません。また昨年3月にいやというほど思い知らされた「政府は決してほんとの
ことを言わない」「自分の身を守るのは自分」という気持ちがふたたび強くよみがえってきます。

そんな折、「内部被曝」について“市民”と“科学者”による研究会が発足とのお知らせをうかが
いました。呼びかけには肥田舜太郎氏、矢ケ崎克馬氏と低線量被爆・曝について永年とりくん
できた医師、現在実際に市民放射能測定所にかかわる方々、またABCCなど原爆投下後の
「被爆調査」の歴史に詳しい歴史研究の高橋博子さん、ビキニ水爆実験の被爆者・大石又七
さんなど。低線量被曝について閉じられた領域に囲い込まずに、歴史・臨床・現在進行形の問
題を含めて考えることは、科学の「民主化」と「身体の自律・自治」がクロスする領域をきりひら
くと思います。着目してゆきたいと思います。

●“市民と科学者の内部被曝研究会” 
http://www.acsir.org/