2012年11月30日金曜日

国連アナンド・グローバー日本政府をきびしく批判/UN says “Fukushima nuclear risks underestimated in Japan”&“Japan overemphasized optimistic views of radiation risks”

Right investigator says Japan overemphasized optimistic views of radiation risks
“The government has to err on the side of caution and be inclusive”


国連人権委から原発後の調査に来日していた、インド人弁護士アナンド・グローバー氏発言についていくつか報道があります。公式ステートメントだけからではわかりませんでしたが、かなり手厳しく日本政府を批判していることがわかりました。また記者との質疑応答で


放射能と健康被害については、いろいろな研究/説があるが、「政府はどの科学的見解が
<正しい>かを判断する立場にはなく、より注意深く包括的な立場をとるべきである」“The government has to err on the side of caution and be inclusieve"公衆衛生、健康の権利について、国家や行政がとるべき<予防原則>に徹した発言があります。

●きわめて重要な、質疑応答部分をかきおこして下さっているブログ
http://kiikochan.blog136.fc2.com/blog-entry-2576.html

へぇ、とおもってさらに調べてみるとアナンド氏はHIVと人権問題に長くかかわってきたそうです。彼の所属するインドの弁護士協会もHIVと人権、医療と人権、女性、性的マイノリティの人権、またドメスティック・バイオレンスにもとりくんでいるところと知って、合点がいきました。こんかいアナンド氏は日雇労働者の街も訪れ、下層労働者が原発労働に動員されてきた歴史も調査し、また野宿者が排除される現場ではインドでの土地たちのきの闘いなどにもふれて、はげましたそうです。さっそくこの報告も英訳されています。必見です。


●アナンドさん所属のインドの弁護士コレクティヴ<Lawyers Collective
http://www.lawyerscollective.org/




●【11月29日東京新聞・朝刊】国連専門家が国・県批判/ヨウ素剤無配布,健康調査不開示

~★12/28福島県<外>避難への住宅補助中止についても、きびしく政府批判★~



以下、カナダCBCニュースなど、くわしく踏み込んでいる報道を紹介します。

●【カナダCBCニュース】
Nov 26, 2012 6:43 AM
http://www.cbc.ca/news/world/story/2012/11/26/wrd-japan-nuclear-health-fukushima.html

A United Nations rights investigator said today that Japan hasn't done enough to protect the health of residents and workers affected by the Fukushima nuclear accident.
Anand Grover, UN special rapporteur on the right to health, said the government has adopted overly optimistic views of radiation risks and has conducted only limited health checks after the partial meltdowns at several reactors at the Fukushima Dai-ichi nuclear power plant caused by an earthquake and tsunami in 2011.
'The government has to err on the side of caution and be inclusive.'—Anand Grover, UN special rapporteur on the right to health
Several investigations, including one conducted by a parliament-appointed panel, have criticized the government for alleged coverups and delays in disclosing key radiation information, causing evacuees to be unnecessarily exposed to radiation. That has also caused deep-rooted public distrust of the government and nuclear industry.
Although he welcomed ongoing health checks of affected residents, Grover said they were too narrow in scope because they are only intended to cover Fukushima's two million people, and that only children are being given thyroid tests, even though the impact of radiation went far beyond Fukushima's borders.
He said the health survey should cover "all radiation-affected zones" stretching across much of the northeastern half of the main Japanese island of Honshu. So far, only ¼ of Fukushima's population has been covered.
Many nuclear plant workers on short-term contracts have no access to permanent health checks, and many residents complained that they have not been allowed access to their own health-check results, Grover said.

Chornobyl not good example

"The scope of the survey is unfortunately narrow as they draw on the limited lessons from the Chornobyl accident and ignore epidemiological studies that point to cancer as well as other diseases in low-dosage radiation," Grover said.
He said the government's use of a radiation threshold of 20 millisieverts per year — an annual cap set for nuclear industry workers that is more than 10 times the three-year limit for ordinary citizens — in determining off-limits areas around the plant conveys a misleading message that doses up to that level are safe. The government has emphasized that message by saying in official publications, school booklets and in conferences that there is no clear evidence of a direct risk of cancer if a person is exposed to radiation doses of up to five times that level.
He said in Chornobyl, the obligatory resettlement threshold limit was just a quarter of Japan's.
There are some studies that say radiation exposures of up to 100 millisieverts per year show no clear evidence of higher cancer risks, he said.
"But that is controversial. And there are a lot of studies which indicate otherwise. The government need not say which is right. The government has to err on the side of caution and be inclusive," he said.
Doctors at Fukushima Medical University say the estimated radiation exposure from the Fukushima accident was much smaller than from the 1986 Chornobyl nuclear disaster, and that an increased risk of thyroid cancer among children is unlikely.
In September, they found thyroid cancer in a teenage girl — the first case in checkups following the Fukushima crisis. But Shinichi Suzuki, a thyroid expert at the university, said he believes it was too early for radiation from Fukushima to have been responsible because it took about four years before the first cases of thyroid cancer began appearing among children after Chornobyl.
Grover also said the government should work harder to include residents in decision-making, monitoring and implementation of measures that affect their health.
"I personally think experts only know part of the real situation. Communities must be involved," he said.
Grover wrapped up an 11-day survey in Fukushima and other areas Monday after submitting a draft interim report of his findings to the government. A final report is to be released next June


●【11月27日 AFP】

健康問題に関する国連(
UN)の専門家が26日、日本政府は福島周辺での放射能に対する懸念にもっと応えるべきだと述べ、放射能汚染で被害を受けた人びとの意見にも耳を傾けるべきと勧告した。
 国連人権理事会(
UN Human Rights Council)の「健康を享受する権利」に関する特別報告者アナンド・グローバー(Anand Grover)氏は、福島県、宮城県などをめぐる12日間の視察を終えて記者会見に臨んだ。その中で同氏は、放射能汚染の恐怖にさらされて暮らす人びとに日本政府は直接もっと多くの情報を提供すべきだと語り、また「すべての地域社会が決定プロセスに参加すべきだ」と述べた。
 東日本大震災で起きた福島第1原子力発電所の事故は「人災」であるという国会の東京電力福島原子力発電所事故調査委員会(国会事故調、
Fukushima Nuclear Accident Independent Investigation Commission)の見解をグローバー氏も踏襲した。
 グローバー氏は、政府と同原発の事業者である東京電力(
TEPCO)が限界線量に関する的確な情報を提供しなかったことで混乱と損害を拡大したと述べ、政府が避難区域の指定に当初使用した年間20ミリシーベルトという基準値は「そこまでの実効線量ならば安全である」というように伝わったと指摘した。
 また現行の限界値と、チェルノブイリ(
Chernobyl)原発事故の際の強制移住の基準値だった年間5ミリシーベルトには「一貫性」がないと述べ、これが「多くの地元住民の間に混乱を招き、政府発表のデータや方針に対する疑念が高まることにつながっている」と語った。
 混乱をおさめ人びとを安心させる方法を尋ねられたグローバー氏は、政府が専門家に頼りすぎないことだとし、「個人的には、専門家が知っているのは状況の一部だと思う。地域社会の参加が欠かせない」と述べた。
 同氏はまた、訪問中に「被害に遭った多くの人びと、特に障害者や若い母親、妊婦、子ども、お年寄りなどから、自分たちに影響が及ぶ決定に対して発言権がないという言葉を耳にした」とも述べ、健康管理調査の策定や避難所の設計、汚染除去の実施などすべての意思決定プロセスにその影響が及ぶすべての人たち、特に社会的弱者が十分に参加するよう日本政府に求めると表明した。
 またグローバー氏は現在、福島県民および災害発生時に福島県を訪れていた人々に限られている健康管理調査の対象を広げ、放射線汚染区域全体において実施することも日本政府に要請した。
 同氏は「残念ながら、調査範囲が狭い。これは、チェルノブイリ事故から限られた教訓しか活用されていない」と述べ、さらに「多くの疫学研究において、年間100ミリシーベルトを下回る低線量放射線でもガンその他の疾患が発生する可能性があるという指摘がなされている。研究によれば、疾患の発症に下限となる放射線基準値はない」と語り、日本政府に「慎重に慎重を重ねた対応をとること、また、包括的な調査を実施すること」を推奨した。(c)AFP/Kyoko Hasegawa

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来年6月に日本政府に対する勧告を含めた報告書がとりまとめられるそうで、一刻もはやくと、まちどおしいです。

ここまで私たちが経験してきた、放射能から身を守ることへの偏見、「気にする/気にしない」という「気持ち」の問題に矮小化させらたり、果ては「気にし過ぎ」「放射能を気にすると差別につながる」などの認識不足も、
国際的合意に照らすときわめて滑稽であり、政府が放射線防護をおこたってきたことの所産であると、
あきらかにされると思います。



2012年11月29日木曜日

原発事故こども被災者支援法緊急提言集会11.28

11月28日の「原発事故こども・被災者支援法」に関する復興庁への交渉と緊急集会について
報道がありました。
じっさいには北海道、九州と各地に避難された、おかあさん、おとうさんたちが駆けつけ、支援含めて80名~90名の参加がありました。
成立後すでに5か月もたっている法です。26日には国連人権委アナンド・グローバー氏からも日本政府に早期施行するよう求められています。

以下に報道の内容を紹介しておきます。ただしこの報道ですと、支援の対象が福島県だけにかぎられてしまっているような印象を与えます。もっとも高汚染の場所からの避難・移住、生活・医療保障などすみやかにおこなわれるのはもちろんです。が、さらに支援法で注目されなくてはならないのは、支援の適用を、年間1mシーベルト(追加)を超える地域を認めさせ、該当地域にも十分な医療体制、補償の実施、移住の権利、などを確立させていくことにあると思います。

いま「脱原発」が選挙の争点になっていますが、加えて、とくに東日本では、この法の施行・実施にむけての各候補者の姿勢も、もっとも大切な争点なはず...なのですが。

以下支援法のリーフレット&全文のURLを添えておきます。
「原発事故こども・被災者支援法市民会議」
http://shiminkaigi.jimdo.com/%E6%94%AF%E6%8F%B4%E6%B3%95%E3%81%A8%E3%81%AF/
「原発事故こども・被災者支援法」全文PDF
https://dl.dropbox.com/u/23151586/120617_shienho_bill.pdf




NHK11月28日
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20121128/k10013822611000.html 

「原発事故の影響で避難した人と共に福島に残っている人への支援の充実を求めて、28日、全国のおよそ20の被害者団体や支援団体が国と直接交渉に臨みました。

原発事故による被害者への支援を巡っては、ことし6月、原発近くの自治体や、放射線の影響を受けた周辺の地域から避難した人と共に、福島に残っている人に対しても健康被害を防ぎ、生活を支援するための法律が成立し、国は今年度中に具体的な対策を盛り込んだ基本方針をまとめる方針です。
これに合わせて、全国のおよそ20の被害者団体や支援団体が28日、基本方針に被害者の声を反映させてほしいと東京で復興庁の担当者らと直接交渉に臨みました。交渉では、被害者側が、避難した子どもと、残る子どものいずれに対しても、被ばく検査をさらに充実させるほか、放射線への不安から自主的に避難した母親や子どもに対しては、離れた家族に会うための交通費の補助や住宅の無償貸与を延長することなどを求めました。
また、被ばくへの不安を抱えながら福島県に残っている被害者に対し、除染を進め、屋外で自由に遊べないなどしてストレスを抱える子どもたちのケアをより充実させることを求めました。
これに対し、国は自主避難者に対する高速道路の無料措置について、「要望は強く、実施に向けて取り組みたい」と答えたほか、子どものケアについても検討する考えを示しました。
交渉のあと、福島市から札幌市に避難し、支援団体の代表を務める中手聖一さんは「高速道路の無料化について、母子避難の支援を優先して検討しているなど、一部積極的な話は聞けたが、ほかの要望もかなうよう国への働きかけを続けたい」と話していました。
復興庁は、こうした被害者との対話を続け、ニーズを踏まえた基本方針を取りまとめたいとしています。
―平野復興相にも要望書提出

一方、被害者団体や支援団体のメンバーは、国との交渉に先立って、28日午前、平野復興大臣にも要望書を提出しました
メンバーたちは、避難するか、福島に住み続けるか、被害者の判断を尊重し、必要な生活支援を整えるよう求めました。
参加した団体によりますと、平野大臣は『さまざまな意見を受け止めて今後の対策に取り組んでいく』と答えたということです。」

2012年11月27日火曜日

年間20ミリの避難基準を非難~国連報告・Fukushima Nuclear Disgrace

UN special rappurteur accused the evacuation criteria of 20m Sv/year 
「国連人権委、日本政府の年間20mの避難基準を非難」



メディアでの報道がまったくないな、少ないな、と思っていたところ
市民系・独立メディアのOur planet TVさんがさっそく取材・字幕作成し、公開して下さいました。
英文では「Fukushima Nuclear Disgrace」とタイトル。Disgraceは「恥辱」「不名誉」の意。

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【解説】Our planet TV
「東京電力福島第一原子力発電所事故に関連して11月26日、国連人権員会の「健康に対する権利に関する特別報告者」のアナンド・グローバー氏が記者会見を開き、声明を発表した。
 
アナンド・グローバー氏は、原発事故により、日本国内の健康に関する権利が守られているかどうか調査する目的で来日。11月15日から26日の約10日、東京や福島に滞在し、政府機関や自治体関係者、NGO、市民団体などを対象に、ヒヤリングを重ねてきた。
 
グローバー氏はまず、日本における健康の権利状況について、事故後の安定ヨウ素が配布されなかったことや、SPEEDIの情報が公開されなかったと指摘。避難基準が年間20ミリシーベルトに設定されている現状について、放射線管理区域の設定やチェルノブイリ事故の基準、疫学的知見などの間に一貫性が見られないと厳しく非難した。
  
また、健康調査については、対象地域が福島県に限られているのは問題だとして、汚染地域全体で実施するよう日本政府に要請。調査の項目が限られていることや、自分の医療記録にアクセスできない状況も問題視し、包括的で、長期的な内部被曝調査やモニタリングを行うことを推奨した。
 
このほかにも、原発作業員のモニタリングや避難の権利、食品の基準、除染について言及。避難や健康調査、除染などのあり方を決定するプロセスに、子どもや妊婦、障がい者、高齢者など、社会的弱者を含めた被害地域の住民が参加できるようにすべきだとし、今年6月に成立した「子ども被災者支援法」の基本方針の策定に、まず、当事者を参画すべきだと求めた。
 
グローバー氏の調査結果は来年3月に国連人権委員会に報告され、その後6月に最終報告書が国連人権委員会理事会に提出される。
 
国連人権理事会 特別報告者のプレス・ステートメント(全文)」
http://unic.or.jp/unic/press_release/2869/

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以下、とりあえずの翻訳のようです。
Fukushima: UN Special Rapporteur accused the evacuation criteria of 20 mm year 
Originally published on Nov 26, 2012 by OPTVstaff
(* Google translated from Japanese) November 26, Mr. Anand Grover of "Special Rapporteur on the right to health" of the United Nations Human Rights Committee in relation to the accident at TEPCO's Fukushima Daiichi Nuclear Power
Held a press conference, we made a statement.

Mr. Anand Grover, came to Japan in order to study the nuclear accident, health rights in Japan is whether being guarded. About 10 days of 26 days, to stay in Tokyo and Fukushima, government agencies and local governments to target those involved, NGO, and civil society organizations have been repeatedly hearing from November 15.

First, Grover and pointed out that the rights of health status in Japan, stable iodine after the accident has not been distributed, SPEEDI information has not been published. Was denounced on the state evacuation criteria is set to 20 mSv per year, and is not seen consistency criteria accident Chernobyl settings and radiation controlled areas, such as between the epidemiological findings.

In addition, as a matter for health research, the target area have requested is limited to Fukushima Japanese government to carry out the entire contaminated area. We have recommended that an issue of the investigation and that an item is limited, even in situations where you can not access their medical records, a comprehensive survey and monitor long-term internal exposure.

In addition to this, mention rights monitoring and evacuation of nuclear workers, food standards, for decontamination. And should be in the process of determining health survey and the evacuation, the way such as decontamination, children and pregnant women, the disabled residents of the affected areas, including disabilities, such as the elderly, the socially disadvantaged is to be able to participate, in June this year I asked in the formulation of basic policy was established in the Law "your child victims," ​​First, the parties should participate.

Grover findings are reported to the UN Commission on Human Rights in March next year, the final report will be submitted to the UN Commission on Human Rights Council in June.

Source video: http://www.youtube.com/watch?v=DeWz2Xj8jH0

Keep in mind, this could happen to Any Nuclear Power Plant at any time. Is ANYONE prepared for this kind of man made disaster?


これだけの政府の数々の不作為のもと、原子力産業のまきちらした放射性物質から身を守ろうとすること、「放射線防御は,人権問題」という意識が広まるとよいと思います。




 




原発事故に関して:国連人権理事会・報告 

国連・人権理事会から、原発事故後の日本政府の対応が「人権侵害」にあたるのでは?と、調査来日していたアナンド・クローバー記者会見に関する記事です。

●「原発事故、健康調査の拡大求める 国連報告者」
2012.11.26.17:45 【共同】

http://www.47news.jp/CN/201211/CN2012112601001695.html

以下記事より

 「東京電力福島第1原発事故後の日本政府による健康対策などの調査のため来日している国連人権理事会の特別報告者アナンド・グローバー氏は26日、福島県が実施している健康管理調査について「対象が県民などに限られ範囲が狭い」と述べ、政府に対し、より広範囲での調査実施を求める考えを示した。東京都内で記者会見した。
 グローバー氏は15日から来日し「健康を享受する権利」の保護を目的に宮城、福島両県の被災者や政府関係者らからヒアリングを実施。来年6月、人権理事会に最終報告書を提出する。
 健康調査の拡大について、具体的な範囲は明示しなかったが「放射能汚染区域全体での実施」を要請した」
 
国内の関心が低いのか、とっても大きな問題なのに、短い記事です。が、ここからは「放射能汚染区域全体」での健康調査として、福島県以外にも汚染が広まっていることが認識されているのかな?と思いました。
 
アナンド・クローバーの調査に関する声明全文はwebでより詳細な意見が読めます。

2012年11月26日
「達成可能な最高水準の心身の健康を享受する権利」に関する特別報告
アナンド・クローバー プレス・ステートメント 
http://unic.or.jp/unic/press_release/2869/
以下ポイントをぬきだしてみました。
―――――――――――――――
●年間20ミリシーベルトを明確に批判する部分

「日本政府は、避難区域の指定に年間20 mSv という基準値を使用しました。これは、年間20 mSv までの実効線量は安全であるという形で伝えられました
しました。これは、年間20 mSv までの実効線量は安全であるという形で伝えられました。また、学校で配布された副読本などの様々な政府刊行物において、年間100 mSv 以下の放射線被ばくが、がんに直接的につながるリスクであることを示す明確な証拠はない、と発表することで状況はさらに悪化したのです。

年間20 mSv という基準値は、1972 年に定められた原子力業界安全規制の数字と大きな差があります。原子力発電所の作業従事者の被ばく限度(管理区域内)は年間20 mSv(年間50 mSv/年を超えてはならない)、5 年間で累計100mSv、と法律に定められています。3 ヶ月間で放射線量が1.3 mSv に達する管理区域への一般市民の立ち入りは禁じられており、作業員は当該地域での飲食、睡眠も禁止されています。また、被ばく線量が年間2mSv を超える管理区域への妊婦の立ち入りも禁じられています。」


●「支援法」の早期実施を要請する部分

「東京電力原子力事故により被災した子どもをはじめとする住民等の生活を守り支えるための被災者の生活支援等に関する施策の推進に関する法律」が2012 年6 月に制定されたことを歓迎します。この法律は、原子力事故により影響を受けた人々の支援およびケアに関する枠組みを定めたものです。同法はまだ施行されておらず、私は日本政府に対して、同法を早急に施行する方策を講じることを要請いたします。これは日本政府にとって、社会低弱者を含む、被害を受けた地域が十分に参加する形で基本方針や関連規制の枠組みを定める、よい機会になるでしょう。

―――――――――――――
他には、「食品安全の厳格化」、「放射性物質に関する政府データーの公正な扱いと公表」「住民による除染を控えること」、「原発作業員の健康調査」などについて触れられています。

が、自主(区域外)避難の権利、移住の権利などについて、直接ふれられていないのが、残念な気もします。「支援法」が理念通りいかされるよう、言及してほしかったとも思います。
ともかく、こうした見解はぜひとも広めて、日本政府が聞き入れるようにはたらきかけるようにしていきたいですね。客体としてではなく、あくまでも権利行使の「主体」として。

2012年11月25日日曜日

<吶喊>台湾・原住民による低レベル放射性廃棄物処理場反対行動・Anti-Nuclear waste site action at Taiwan,Lan-su Island by Indigenous people

たまたま見た番組です。台湾沖の蘭嶼(らんしょ)島。台湾原住民・タオ族のちいさな島に「缶詰工場をつくるから」と、ろくな説明もなく30年前に建設された「低レベル核廃棄物貯蔵施設」。

人々のあいだに、がん・甲状腺異常等が多発。年間換算で60ミリシーベルトに及ぶスポットが多々。地震・津波の多発地帯。日本の調査チームが原住民の人々に測定器を送っています。

●報道特集2012.11.24
台湾・先住民の島に放射性廃棄物 見過ごされた危機 - デイリーモーション動画

台湾は6基の原発が稼働中で、廃棄物の処理計画に途方に暮れているようです。

気になって調べてみると、ことしの2月にあった、核廃棄物貯蔵施設反対行動の映像がありました
原住民・タオ族のひとびとの抵抗でもあります。木製のかぶと、槍をもって、ふんどし姿で抗議にくりだしているひともいます。「駆除悪霊」という、白旗にかかれた文字。必見です。

<吶 喊>   蘭嶼反核廢活動紀錄短片 (Anti-nuclear waste) 
Indigenous people:Anti Nuclear waste site action at Taiwan,Lan-su Island. 20.2.2012




<吶喊> 蘭嶼青年行動連盟 製作 

いきどおりが全身にみなぎっていて、心を揺さぶられます。

原子力、核の犠牲になるのは、いつも生身の、素手の「にんげん」なんだなという  思いが強まり、泣けてきます。放射性物質、ほんとにとんだ「悪霊」におもえてきます。

わたしたちの「安全」をめぐるいまの状況も、「缶詰工場つくるから」みたいな説明されているのと、そうちがいはないのかもしれませんね。



2012年11月23日金曜日

ヘレン・カルディコットさん来日記者会見:Helen Caldicott: Press conference at Tokyo

11.19、オーストラリアの小児科医で、女性による核軍縮会議@アメリカ(WAND)や国際核戦争防止医師会やなどを創設してきた、反核活動家のヘレン・カルディコットさんが来日し記者会見があったそうです。『狂気の核武装大国アメリカ 』は集英社から翻訳がでています。が、今回メディアでの関心も低いようです。 Our planet TVさんが取材・製作して下さった19日の様子です。

●Our Planet TV 「移住費用は国が負担すべき」カルディコット博士 20/11/2012


映像はyoutube版です

Dr. Helen Kaldi Cotto doctors met in Tokyo, pregnant women and children should be evacuated as soon as possible from the area high dose complained.

About the situation of the Japanese people living in areas with high straight, the amount of radiation today, "Dr. Kaldi Cotto was cut" accident of Fukushima industrial accident the worst in the history of mankind "and the Japanese government have defended severely criticized as "TEPCO is not a citizen. "Evacuating aggressively, the Russian government to protect the people," and the government's response than the Soviet Union after the Chernobyl accident, was an idea that there is a problem.

In addition, in the thyroid testing is being performed for children under the age of 18 in Fukushima Prefecture has been carried out, with respect to issues that have been found any abnormality in children 40%, figures "extremely rare," he is a pediatrician said. Emphasized for young women to fill the child, "the government should bear the cost for immigration" and also, children and pregnant women.

As well as activists, but also as a prominent physician Dr. Kaldi cot, a journalist who participated in the press conference that was held at the House of only 20 members of the House of Representatives is about people. also affected by the dissolution of the National Assembly, there was little participation from the mass media. However, compared to the previous day for the public lecture was held in Tokyo and the state that it was fully booked, there is a large temperature difference.

Dr., referred to as "not responsible" As for the attitude of the Japanese media these. Complained of the need for public information "by the media where it is large whether enabled" and also with that information about the damage caused by radiation of nuclear power plant workers has not been published.


「移住費用は国が負担すべき」「日本政府の対応はロシアよりひどい」「妊婦や妊娠をのぞむ女性は東京からも避難するべき」としています。ひきつづき大阪ではがれき拡散・焼却処理の問題点を指摘する記者会見も行われたようです。

チェルノブイリ事故では、福井・大阪・京都に相当する面積=1万平方㎞、居住禁止区域に.
結果的に27万人が移住したそうです。それも事故後3年、5年を経てからのこと。その5年間にむだな除染作業や、順次の移住によって「被曝」がたくさんありました。

政府や、原子力産業側の情報隠蔽・安心神話はいくら批判してもしすぎることはないのですが、
それ以上にわたしたちの想像力がまずもって、チェルノブイリと比較してみることさえ頭のなかから除外され奪われててあることを不思議に思います。それでも報道ではほとんどスルーされているようですが、実際に講演などは盛況、関心は非常に高いようです。裾野はひろく、まともであるとおもいたいです。

●Gardianのカルディコットさんの2011年4月事故直後の文章。

●以下には2006年の著作〝Nuclear Power is not the answer〟の翻訳要旨を掲載してくれている方がいて、ありがたいです。2005年前後、気候変動の解決策としてふたたび原子力エネルギーが着目される「原子力ルネッサンス」に対する反論です。
http://onihutari.blog60.fc2.com/blog-entry-52.html

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2012年11月21日水曜日

Japanese testify on Radiation Hazards UN Human council 国連人権委での福島報告・

先頃、ジュネーブの国連人権委員会で、福島県から人権侵害を訴えた双葉町・井戸川町長と、柳原弁護士についての報告が掲載されています。
国内のふぬけて、ぼけっとした意識に喝がはいらないと。このままでは、あまりになさけないです。

●ふくしま集団疎開裁判
「日本からの訪問者、ジュネーブの人権理事会で放射線障害を証言」
http://fukusima-sokai.blogspot.jp/

●Independence WHO (English original version)
Japanese testify on radiation hazards at Human right council at Ganave
http://independentwho.org/en/2012/11/07/japanese-testify-in-geneva/

●WHO独立のために・日本語訳サイト

●国連人権委員会での報告の書きおこしをしているブログ・必見です
「世界に訴える・どうかみなさんの大きな声で救ってください」
http://kiikochan.blog136.fc2.com/blog-entry-2497.html

「私達を守ってください。助けてください。
子どもの健康を守ってください。
これ以上、放射能被ばくをさせないで下さい。
日本政府がやらない移住を助けて下さい。
世界の常識で我々を救って下さい。
私達を直接調査して下さい、本当の姿を見るために
子供達は我慢の限界です。」         


                      国連での訴え/双葉町・井戸川町長 

はい。おとなも我慢の限界です。

 

 






2012年11月20日火曜日

県「外」住宅新規借り上げ「停止」にストップ署名・Fukusihma to stop accsepting new applications for home support

以下、年末の12月28日に福島県が、県<外>新規の住宅借り上げ補助をうちきりにすると発表しました。一方、県の総合計画では、2020年までに避難者をゼロにする「帰還奨励」もはじまっています。

事故から1年半以上たち、県外へ移動をしはじめるひともいます。いままでの補助をなんとかうちきらないようにというFriend of the earthからの署名のおねがいです。
http://www.foejapan.org/energy/action/121119.html
★〆切りは最終的に12/5(水)朝10:00ですが、なるべくおはやめに。

以前反対多数の声で、撤回になったそうです。具体的にできることはどんどん進めていかないと。
チェルノブイリ事故では、滋賀県・京都・大阪に相当する面積が居住禁止区域になっています。

東京、首都圏の汚染をないことにするため、被災地に無茶で早急な政策がすすめられています。
首都のために福島がいまも犠牲にされていると、双葉町・町長さんの発言にもありました。

平然を決め込んでいる都市にいると、チェルノブイリ事故の経験に対する、私たちの想像力を奪っているものの正体はいったいなんなんだろうと、くやしさがこみあげてきます。


この件に関して、さっそく以下,World net work for saving children from radiation/放射能からこどもを守る世界ネットワークでも紹介されています!
“Fukusima to stop accsepting new applications for home support”
http://www.save-children-from-radiation.org/2012/11/14/fukushima-to-halt-new-applications-for-home-support/


The Fukushima Prefectural Government has decided to stop accepting new applications for home support, submitted by out-of-prefecture evacuees, after December 28, 2012. Currently, under the Disaster Relief Act, prefectural governments around the country are renting homes within a certain rent range for evacuees from Fukushima and billing the Fukushima Prefectural Government, with the national government covering the costs in the end. Twenty-three prefectures around the country are accepting applications for the support.
 
However, Fukushima Prefecture says it has decided to end the support as the number of out-of-prefecture evacuees has decreased after July and some evacuees are returning home. The Ministry of Health, Labor and Welfare has also asked the prefecture to stop the program. Support for people already in the homes will generally continue through March of 2014. Meanwhile, from Nov. 15, Fukushima Prefecture will start such support for evacuee families who return to the prefecture, if they have children 18 or younger or a pregnant woman in the household. According to the prefecture, although there were over 62,000 out-of-prefecture evacuees in June, the number has dropped to less than 60,000 in October.
 
The purpose of the discontinuation of home support is to encourage evacuees to return to Fukushima Prefecture, but some, including evacuee support organizations, say that “anxiety over radiation remains strong and ending the support is premature.”
 
Presently, there are several hundred new applications for out-of-prefecture evacuations every month, and 500 to 800 people are still moving out of the prefecture each month. According to research conducted by Fukushima City (the prefectural capital, population about 285,000), 45% of households with a child or children 15 years old or younger say “they wish to evacuate.”
 
Since specific support measures are still undecided in the “Nuclear Accident Child Victims’ Law” established this June, evacuation would become more difficult without home support under the Disaster Relief Act. A mother of one evacuee family says: “There still are requests for evacuation to neighboring prefectures. As the risk of radiation remains, there should be a measure that allows people to evacuate at any time. The national government should not leave all the responsibilities to Fukushima Prefecture and should support responsibly.”
 
There is a need for a new housing support system from The Reconstruction Agency under the Disaster Relief Act. At least until then, we would like to demand the continuing acceptance of new applications for home support.
  Fukushima Network for Saving Children from Radiation



2012年11月19日月曜日

New blog:"No Nukes ,More Feminisms":新しいブログはじめました。

We start New blog “No Nueks,More Feminisms” focusing on Women&Nuclear issue.
We will inform the situation after 3.11 in Japan to abroad and intoroduce Women's movemen't concerning Nuclear in the world by Japanese&English.


日々に少なくなっていく原発事故関連の報道。それでも海外の反核・反原発にかかわる女性たちから、「とくに子供や女性たちの身体・健康の様子、食物の汚染、生活の様子、また政府の措置などについて、ぜひ知らせてくれ」という声が高まっています。

スリーマイル、チェルブイリを踏まえ、影響がはっきりとでてくるのは数年にわたること、これからであることまた核による被害・被曝もジェンダーによる偏りとして現れることに、みなやさしく心を砕いています。

そこで、主に米国の西海岸と日本から、日本語と英語で、なるべく継続して情報を紹介するくNo Nukes,More Feminismsをはじめることにしました。また海外の反核・反原発の様子の紹介もしてゆきたいと思っています。

日本社会では女性やとくに「母親」の「立場」や「役割」から放射能防御や反原発にかかわることに、「女性」の問題をづっと考えてきたはずの「フェミニズム」はどうも、関心が薄く、ともすると距離をとったり、みそをつけたりします。

しかし、どうなのでしょう?フェミニズムはとある「立場」や「主体」を<正しい>ものかどうか、審判し、査問するために存在してきたのでしょうか?

これまでの自分たちの議論にそぐわない立場・主体・方法について「ちがうもの」と、ふたをするために存在しているのでしょうか? 

どの主体が「ただしいか」、どの「立場」が女性が声をあげるに正当な主体なのか...という問いをくりかえしているだけでは不毛ですし、なによりほかになすべきこと協働すべきことがたくさんあります。
「私」がのぞむフェミニズムはそういうものでは、なかった/ないのです。

それより、協働することを通じて互いのありようが、変化する。そうした転成を望む姿勢なのです。

また3.11以降、日本社会の「母親」たち、「女性」たちの動きを、ひろい文脈におきかえてみれば、ちがったものに見えてくると思います。オルタ・グローバリゼーション、第三世界、緊縮財政の福祉削減反対などをみると、「母親」の「立場」からのNOの声や運動はたくさんある。そういう中に配置してみる必要があると思うのです。
(もはや、こんな酷い国家と環境のうちにいきているのですから)。

以下、ことしに入って稼働がもくろまれているインド南部・クダンクラン原発反対を支持するヴァンダナ・シヴァのインタビューを掲載してみました。

ヴァンダナ・シヴァはインドの巨大ダム開発に反対するチプコ運動(村人が木に抱きついて伐採をとめる直接行動)をはじめ、
環境問題・グローバリゼーションや遺伝子組み換えなどが、とりわけ女性や子供への打撃となることをずっと警告してきました。原子力発電所についても、しかりです。



Blog:No Nukes,More Feminsms/「クダンクラン原子力発電所を稼働させてはならない」ヴァンダナ・シヴァ
http://nuclearfeminisms.wordpress.com/category/koodankulam%e3%82%af%e3%83%80%e3%83%b3%e3%82%af%e3%83%a9%e3%83%a0/


2012年11月17日土曜日

Alice Stewart:Return under 1mSv/yaer  アリス・スチュワート「年間1ミリシーベルトにもどしましょう」


1956年から低線量被ばくの危険性を発見し警鐘をならしつづけたアリス・スチュワート。
彼女のポスターが「地球のこども新聞」によってつくられましたぜひ広めてください。
http://chikyunoko.exblog.jp/


――― 「100ミリシーベルト以下の低い放射線量と病気との関係について明確な証拠はない」という考え方が日本でくり返されています。あるいは、「低線量被曝は未解明で、よくわからない」という言葉を専門家から聞きます。しかし、半世紀も前の1956年に、アリス・スチュワート博士(オックスフォード大学社会予防医学部長)が低線量被ばくと病気との関係を示す科学的根拠を明らかにした歴史が忘れさられています。
 
  当時、イギリスでは児童の白血病が戦前に較べ50%も増えていました。アリスは疫学調査により妊娠中の女性への腹部レントゲン検査が原因とつきとめたのです。これが明確な証拠であることは確実です。なぜなら、いま、妊娠中の女性の腹部にレントゲン検査をする医師やレントゲン技師はまずいません。この点に関しては、だれもが低線量被曝の危険性を自覚する医師ばかりなのですから‥‥。なぜ、レントゲン検査のX線より強いガンマ線やベータ線、アルファ線が低線量被ばくの影響をまぬがれるというのでしょか。
  残念なことに脱原発を説く市民の間からも、アリス・スチュワートの名を聞くことはまれです。彼女はチェルノブイリ原発事故の翌年、年間0.2ミリシーベルト以下を防護基準とするよう世界の科学者1000名の署名をICRP(国際放射線防護委員会)のコモ会議でつきつけました。そして、1997年に結成された欧州放射線リスク委員会(ECRR)の初代議長として亡くなるまで、低線量被ばくの危険性を訴えてきました。―――以上「地球のこども新聞」より引用。

 
 
また、「地球のこども新聞」の長尾比呂未さんの連載インタビューも非常にすばらしく、もっとも納得のいくおはなしをされています。『子ども・被災者救済と移住の権利を求めて』(「社会運動392号掲載)。内容は、

 ・2011.3.15東京被ばくを振り返る・隠されたヨウ素131内部被曝
 ・「許せない殺人行為だ」井戸川町長の国連アピール
 ・あまりにも愚劣な年間20mSv帰還
 ・放射能受忍論を超えて 

など。

また「年間1ミリシーベルトという現行法令も、いまから20数年前の科学的知見を基にした防護基準で、しかも原子力産業の関係者ICRP(国際放射線防護委員会)が示したガイドラインです.
この中で興味深いのはアリス・スチュワートが年間1mSv/年間でもゆるいとして、
年間0.2を放射線防護基準として求めていたという点はあらためて、はっとします。

スチュワートの基準からすると現在の日本の許容量はその200倍もゆるいことになります。放射線物質対策,防御の必要性をいくら強調しすぎても、しすぎることはないな、と改めて思います。

 

2012年11月16日金曜日

Independent Magazine"Mom's revolution" 雑誌ママ・レボ3号目ができました。

福島、関東など、高線量で暮らすおかあさんたち、自主避難や移住したおかあさんたちの活動雑誌「ママ・レボ」が3号目をむかえたそうです。なにより、むだなく、実践的。まったく独立した雑誌です。支えるためにもぜ。おかあさんじゃなくても、こどもでも、考えていきたいひとにぜひ読んでほしいとのこと。デジタル版でも読めます。




県「外」避難者のための借り上げ住宅補助受付停止についても、きわめてまとをえた指摘をしています。必読。
■ママ・レボ:BLOG 2012年11月14日
「避難・移住の道を閉ざさないで!県外借り上げ住宅の新規受け付け打ち切りの決定に、延長をのぞむ切実な声」
http://momsrevo.blogspot.jp/2012/11/blog-post_14.html

原発事故の責任を問う国際署名開始:Demand Accountability for Those Responsible for the Fukushima Nuclear Disaster


福島原発告訴団などのはたらきかけによって、原発事故の責任の所在を法的に求める国際署名がはじまりました。すでに集まった分は、11/15に告訴状に添えられ福島地検へ提出されたそうです。ぜひ広めて下さい。

よびかけは放射性物質から子供を守る活動をしているアメリカ・カナダ・オランダ・オーストラリア・ザンビア・イギリスの、おもに原発付近の住民からなるネットワークです。
NETWORK SAVE CHILDREN FROM RADIATION
http://www.save-children-from-radiation.org/fukushima/
http://www.save-children-from-radiation.org/about-1/

■petition background
After over a year and a half, not a single person has been held accountable for the catastrophic accident that happened at the Fukushima Daiichi Nuclear Power Plant in March 2011.

The report of the independent investigation commission set up by the Japanese Diet published in July 2012 unequivocally states that the accident was man-made; TEPCO did not take appropriate measures against the potential risks of tsunami already identified; and the collusion of the government oversight agencies with the nuclear power industry compromised safety.
In June 2012, a group of over 1,300 people who lived in Fukushima at that time filed criminal charges against 33 individuals, which include former TEPCO executives, government officials in charge of nuclear safety in Japan, and the current Radiation Health Risk Management Adviser appointed by Fukushima Prefecture. The charges were filed with the Fukushima District Prosecutor's Office on the grounds of professional negligence resulting in death and injury, and environmental pollution offense.

The written statements submitted by each plaintiff tell stories of agony of how their daily lives were suddenly uprooted and their human rights violated. No government assistance has been provided for the evacuation of children, and most have been left in dangerously contaminated areas in Fukushima. The impact of radiation exposure on their health is becoming more evident, while the government continues to deny this grim reality.

The second group of an additional 10,000 plaintiffs from the rest of Japan are expected to join this case on November 15, 2012. Now we need to put pressure on the Fukushima District Prosecutor's Office, so that it will not just go through motions, but conduct a thorough investigation that would result in the actual prosecution of the individuals charged. This is only the first step, and a critical one.

■petition 署名ページです 
“We, the undersigned citizens of the world, demand that the Fukushima District Prosecutor use all authority available to carry out a thorough and complete investigation of the charges brought against the 33 individuals by the Fukushima Nuclear Disaster Plaintiffs. No stone should be left unturned in this investigation.

This catastrophe is the result of negligence and those who are to blame must be held accountable. Not only have our global environmental resources been seriously contaminated, but many of us live within close proximity of other nuclear power plants and their stores of highly radioactive nuclear waste.

Most importantly, the children of Fukushima represent our future of a shared world. We will no longer watch in silence, as our governments and corporate leaders lie to us while destroying precious life. We are standing together to make sure that no one is so powerful to be above the law.

We demand nothing less than full accountability.”
今回の事故の対応は、グローバルな環境汚染問題でもあり、かつ自分たちの未来と重なり、日本の子供のおかれている状況について沈黙していられないと主張しています。

2012年11月15日木曜日

福島原発告訴団第二次13262名に。13262 people filed a case against TEPCO&Gov

Today,13262 people from all over Japan filed a case against TEPCO and the Japanese government with the Fukushima District Prosecutor's Office .The plaintiffs are also seeking to hold those who promoted nuclear power accountable for the damage and radiation exposure that has resulted from the disaster. 
 
                       phot Ruri Sasaki
 
 
 11月15日、福島地検へむかう告訴団です。最終的に告訴人はなんと13262名にもおよびました。

関東からも数千名が、自分も原発事故の被害者だということを否認せず自覚した人々が告訴人となっています。
 
なんの組織だった運動でもなかったのですが、この夏以降、いたるところで、さまざまな人たちによる、形式や、大小を問わない説明会がひらかれました。
そして、どこであろうと、いとわずに黙々と行脚のように説明にでむく武藤類子さん。
 
宣言の中にあった「人に裁きを求めるということは、自分の生き方を問い直すということを意味します」ということばが琴線にふれました。私にとっては、これまでの自分自身を告訴する、という意味も少しばかりこもっています。

チェルノブイリ事故をみてもIAEAが最終的に報告をまとめたのは、1986年から25年もたった折のことです。途方もない道のりのまだまだほんのはじめの一歩です。
 
いままでに経験したことのない、おどろくほど穏やかで、おそろしく静かな、深い、憤り、そして希望がわいています。

●共同通信ニュース
http://www.47news.jp/CN/201211/CN2012111501001259.html

●福島原発告訴団・11月15日声明
http://kokuso-fukusimagenpatu.blogspot.jp/

付記:今日のよびかけには、福島の線量の明示。そしてこども、若年層、妊婦さんは参加を控えるようにとの
配慮。「原発いらない福島の女たち」などの行動もそうですが、女性がメインになっている行動にはかならずこの点が含まれています。このひとことを添えられるかどうか。。。じつはとても大きなことなのだと思います。

 



 

2012年11月14日水曜日

女性たちのペンタゴン・アクション Women's Pentagon action


32年前の秋。ちょうど11月のいまごろの季節のこと。合衆国で無数の女性たちによる反核と反戦をうったえた、ペンタゴンへの抗議行動がおこりました。
32年を経て、原子力災害のあと改めてこの声明を読むと、わたしたちは、なにを大切にしてこなかったのか。なにを
軽んじてきたのか...。ふたたび問いかけられているように思えます。




女性たちのペンタゴンアクション声明

フェミニズムの世界は、女性がいつでもどこでも安全であるようなコミュニティである。

そこでは地球と空気が大切にされ、私たちがともに生きている、生きとし生けるものすべてが大切にされる。女性は自由に愛し合う。

すべての人にきちんとした住まい、滋味ある食べ物、生き届いたヘルスケアがある。老人は敬われ、その体験にもとづく知恵が頼りとされる。

子供たちは大人たちから隔離されず、どの子も大人について,知るよろこびをわかちあう。
個人差、エスニシティの違い、人種の差異は祝福され、だれもが教え、学ぶことができる。

男の子も、女の子も他人をケアすることの大切さを教えられる。

仕事が遊びから分離されることはなくなり、誰もが創造的存在とみなされる。

戦争の武器や、その他浪費的で破壊的な玩具は姿を消す。

世界中の人々が力をあわせて私たちみんなに恩恵を与えてくれる経済、
惑星を保全する経済を発展させるために働く。

信頼が恐怖にとって代わり、愛が暴力にとって代わる。
恐怖と暴力の憎しみに満ちた時代とは家父長制が達成したものの遺物なのだ。

                           (メアリー・メラー『境界線を破る』新評論より掲載.)

また、この女性たちによるペンタゴンアクションの記録をよんでいると、アフィニティ(類縁)グループや、直接行動、合意形成の方法論などをめぐって、近年のオルタ・グローバリゼーションで継続されていたいくつかの概念が登場しているのも興味深いです。

それより、もっとも興味をひくのは、女性たちが指編みで、蜘蛛の巣を模し、関連施設などをぐるぐるに包囲してしまうというやや奇妙な行為です。






こののちに「蜘蛛の巣行動」=Weaving はイギリスの女性たちの反核キャンプ、グリーナム・コモンでもわき起こります。以下は、合衆国内で、東海岸のワシントンに呼応した、同年1980年の西海岸での出来事。サンフランシスコのボヘミアン・グローブという男性のみに参加を許されている、経済人や政治家などの「紳士密談」(原爆投下のマンハッタン計画もここの密談で俎上にのぼったといわれている)に抗議しておこなわれた、Weaving だそうです。今年の7月にも、occupyボヘミアン・グローブの行動がとりくまれたようです。



西海岸サンフランシスコの反核運動の歴史のアーカイブ。
カリフォリニアは草の根の反核・反原発運動が根付き、様々なグループが
3.11以降、原子力災害を自分たちの問題としてひきつけて考え行動しているようです。



しかし。それにしてもなぜ蜘蛛の巣なのか。じつは、蜘蛛は、風向きをきちんと読みながら巣をはる位置を決めます。また、風向きがかわれば即座にじぶんでつくった巣を壊してしまう。そして場所をえらんで、またせっせと一から編みなおすそうです。

気ままに巣をはっているように見えて、じつは環境を熟知した上の、とても繊細でいて、自在な行為に思えます。そんな蜘蛛のありようを模したのかもしれません。

原発事故後、行く先々でいままで出あったことのないような、無数の女の人たちの繊細この上ないのに、自在な姿、咄嗟の判断や、うごきをたくさん眼にしました。

まわりの反対をおしきって見知らぬ土地へと避難を決めた人、地域で黙々と計測をして行政にはたらきかける人、近所の子供の被曝を心配するおばあさん...いままでの仕事をきっぱりやめてしまった人...。

危機にあって、いままで、遭遇しなかったようなひとの姿にたくさんでくわしました。さらに彼女たちの、忘れがたい言葉、率直で、的確な言葉にたくさん、たくさん出会い、背中をおされてきたような気がします。

 そうしたありようにひとたび触れてしまうと、じぶんももやは3.11以前のような、何かかに蓋をしたような生き方、思考、言葉には...ひきもどせなくなる。

今後の状況は測りしれないほどおそろしい。それでも蜘蛛の巣のように目をこらさないとなかなか見えない細い糸で世界が包囲されているようにおもえます。











2012年11月13日火曜日

Exposure to low-level radiation can cause leukemia/低線量被ばくも白血病に

“Exposure to low-level radiation can cause leukemia”
WASHINGTON, Nov. 8, 2012, Kyodo
Protracted exposure to low-level radiation is associated with a significant increase in the risk of leukemia, according to a long-term study published Thursday in a U.S. research journal.

The study released in the monthly "Environmental Health Perspectives" was based on a 20-year survey of around 110,000 workers who engaged in cleanup work related to the Chernobyl nuclear plant disaster in 1986.Scientists from the University of California, San Francisco, the U.S. National Cancer Institute and the National Research Center for Radiation Medicine in Ukraine were among those who participated

◆2012/11/08 22:01 共同通信 低線量被ばくでも白血病
/チェルノブイリの作業員/米追跡調査、11万人対象


 【ワシントン共同】チェルノブイリ原発事故の収束作業に関わった作業員約11万人を20年間にわたって追跡調査した結果、低線量の被ばくでも血液がんの一種である白血病の発症リスクが高まるとの研究結果を、米国立がん研究所や米カリフォルニア大サンフランシスコ校のチームが米専門誌に8日発表した。

 発症者の半数以上は進行が緩やかな慢性リンパ性白血病だったが、中には急性白血病の人もいた。

 調査は、事故発生の1986年から90年までに、主に積算で200ミリシーベルト未満の比較的低線量被ばくだった人を対象にした。うち約8割は100ミリシーベルト未満だった。

 137人が白血病になり、うち79人が慢性リンパ性白血病だった。統計学的理由で事前に20人を除き、117人についてほかの発症要因を除外する分析を行った。その結果、約16%に当たる19人が被ばくの影響で白血病を発症したと結論付けた。

 白血病になった137人は、事故後原発から30キロ以内で緊急対応に当たった人や軍人、原発の専門家だった。

 放射線による発がんの危険性は、100ミリシーベルトを下回る被ばくでは、他の影響に隠れてしまい証明が難しいが、これまでも微量で持続的な被ばくによるリスクの指摘はあった。今回の結果はこの主張を補強する。

 チームはコンピューター断層撮影(CT)装置など、医療機器による被ばく影響を評価するのにも今回の研究が役立つとしている。

 昨年3月に起きた東京電力福島第1原発事故では、収束作業の現場の線量が高く、作業員の緊急時の被ばく線量限度を一時、100ミリシーベルトから250ミリシーベルトに引き上げた。

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低線量被曝も、「慢性白血病」をひきおこすという米国研究機関の記事。チェルノブイリ事故11万人を追跡調査。CTスキャンの医療目的にこの研究を活用するというまとめですが「100mシーベルト/年間までは大丈夫」などという、日本の放射線防御対策に関するなんらかの牽制か?とも思えてしまいます。
 




2012年11月8日木曜日

避難者をゼロに(?)福島県総合計画



【2012年11月07日河北新報】
●福島避難者、「20年度にゼロ」 県、総合計画に明記へ
 福島県は福島第1原発事故の避難者を2020年度までにゼロにすることを目指す方針を固めた。年内にも改定する県総合計画の指標に盛り込む。
 県によると、避難者は約15万9000人(県内約10万人、県外約5万9000人)。「避難者が元の居住地に戻る」ことを避難の解消と定義し、避難者ゼロを目標に掲げる。
 双葉郡など避難区域の住民が避難区域外の市町村に整備される仮の生活拠点に一時集団移住したり、県外避難者が元の居住地と別の県内市町村に移り住んだりする場合は避難と見なす。
 双葉郡は放射線量が高く、長期間帰還が困難な区域が多い。自主避難者を中心に放射能への不安感は根強く、現実的には20年度以降も避難を続ける住民が多数存在する可能性が高い。
 県は当初「減少を目指す」とだけ示し、具体的な数値を記さない方針だったが、「県の復興、再生に向けた象徴的な数字。意気込みを示す必要がある」(復興・総合計画課)として、計画終了年度の20年度にゼロとする数値の明記に踏み切る。
 住民帰還を促して避難解消を図るには居住域の除染が欠かせない。県は国による除染特別地域と市町村による除染地域で除染する建物、住宅の予定棟数、戸数を示し、毎年度100%達成する指標も盛り込む。

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>「避難者が元の居住地に戻る」ことを避難の解消と定義し、避難者ゼロを目標に掲げる。
>県外避難者が元の居住地と別の県内市町村に移り住んだりする場合は避難と見なす

いささかおどろいたニュース。レベル7以上の事故とくれば、さまざまな「決断」のもと、新しい生活を切り拓きはじめた人たちがいます。そうしたことがないことにされてしまう...。とくに県外、自主避難者をされた方への風当たりが強くなってしまうのでは?こうした構造的な措置が、亀裂や分断をますます深めてしまうのではないかと思います。「総合計画」と銘打っていますが。こうしたときこそきめこまやかさが必要とされると思うのですが。
----ひとたびおこってしまった原発事故は、決してそれまでどおりの社会や関係を「復元」はできない----しゃにむに「もとどおり」を装うことが必要なことなのでしょうか。福島県に限らず、次第に事故を忘れ、放射性物質の拡散を過小にしかみない、福島県以外の問題、とりわけ東日本、首都圏の問題でもあると思います。

2012年11月6日火曜日

母子支援・母乳計測と県“外”“内”避難

以下、福島県で、母子支援、避難者支援に関するふたつのニュースです。
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●2012年【朝日新聞ニュース】
 福島県は5日、希望する母親の母乳を検査した結果、378人全員分で「放射性物質が検出されなかった」と発表した。
 東京電力福島第一原発の事故を受け、県は今年6月から、乳幼児の健康に対する不安解消のため母親からの電話相談を受け付けている。10月末までに相談があった703人のうち378人について母乳検査を実施。放射性セシウムが検出できる限界(1キロあたり2ベクレル)未満だったという。
 県は、県内で生まれる新生児を年間約1万8千人と見積もり、約1万人分の母乳検査ができるよう約1億円の予算を組んでいる。県の担当者は今回の結果について「一安心」としながら、希望者が予想を大きく下回っていることから検査を呼びかけている。検査は無料で、県外に住む福島県民も受けられる。
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検出限界2ベクレル/1Kgは高いのではないですか?民間の尿検査などはもっと低く0.0レベル(理研で0.5ベクレル程度)で設定されています。「検出されなかった」「一安心」とは言いきれないのでは?母乳の検査は2007年にICRPから日本に勧告もあったそうです。事故直後、迅速にとりくめなかったのかなと思います。
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●2012年11月3日【福島民友ニュース】
 県は2日、東京電力福島第1原発事故で県内に自主避難した人のうち、18歳以下の子どもと妊婦がいる世帯について、借り上げ住宅の家賃補助を近く開始する方針を固めた。一方、県外の借り上げ住宅への補助の新規受け付けを12月28日で終了する方針も決め、県内への住民帰還を促す。県は週明け5日に開く県災害対策本部会議で正式に方針を明らかにする。
 新たに家賃を補助する対象は、今月1日までに県内に自主避難した18歳以下の子どもや妊婦がいる世帯。具体的な開始時期は未定だが、近く手続きに入る見通し。県内の自主避難者については、これまで災害救助法による借り上げ住宅制度では支援の対象となっていなかったため、避難者からは「不公平だ」などとする不満の声が噴出していた。県はこれを受け、より放射線への不安が大きい子どもと妊婦のいる世帯に限り、県外避難者と同様に家賃補助を行う方針を固めた。財源について県は、国に対し引き続き、災害救助費などでの対応を求めていく考え。
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県<内>避難への家賃補助適用は前進。一方県<外>への補助の新規受付が、12月28日
で打ち切り。

“県内への住民帰還を促す”とありますが、先般の甲状腺検査結果をみて避難を考えはじめた人もいることでしょう。あくまで避難を希望する人のための施策であって、県という行政のための施策であってはならないはずです。

また、出産を控えたり、子供を抱えてどこへ避難するか、それぞれの人々が限られた条件のなかで熟慮しながら決めていることだと思います。県外避難も日付で区切らず、線引きせず柔軟な対応ができないのかと思います。こうして「選択」は構造的にせばめられてしまう....。

また県外・県内避難者の「分断」につながってしまわないか、避難の「自己責任化」につながってしまうのではないかと憂慮します。

福島原発告訴団・第二次告訴:Second mass complaint coming over Fukushima disaster

福島原発告訴団の第二次告訴人が1万人を超えたというニュースとその英訳版記事です。
11月15日は福島地検に提訴です。

●2012年11月2日 朝日新聞  



FUKUSHIMA—More than 10,000 people from across Japan are seeking criminal charges against officials of Japan's government and the utility that operates the Fukushima No. 1 nuclear power plant, after a similar mass complaint this summer accused 33 officials of causing death and injury through negligence.
Prosecutors in Fukushima Prefecture are currently examining the earlier complaint, filed in June by 1,324 people who were residents of the prefecture at the time of the accident in March 2011.
Complainants behind the new case plan to file it with the Fukushima District Public Prosecutors Office on Nov. 15. The group numbers about 10,850 individuals, from Hokkaido in the north to Okinawa in the south.
The group is led by Ruiko Muto, 59, who traveled around the country seeking support.
Complainants argued that a broadly backed complaint would show that the general public is seeking criminal accountability for those who promoted nuclear power—and hold them responsible for damage from the disaster and for exposing victims to radiation.
The first complaint named 33 individuals, including 15 current and former officials of Tokyo Electric Power Co., the company that operates the Fukushima No. 1 nuclear plant.
It said they should be charged with professional negligence resulting in death and injury because they failed to take safety measures and furthermore released wrong information.
Prosecutors have had TEPCO submit video footage of teleconferences conducted between the head office and the Fukushima plant in the aftermath of the earthquake and tsunami.
They are expected to question concerned individuals before deciding whether to issue indictments.
Prosecutors have asked complainants to submit documents relating to people who died during the evacuation.
In addition to those documents, complainants plan to submit medical certificates for evacuees who were diagnosed as suffering mental trauma as a result of their ordeal.
They have argued that victims suffered "injuries" from radiation exposure. But it is thought to be difficult in law to establish a causal relationship between those purported injuries and the nuclear accident.
http://ajw.asahi.com/article/0311disaster/fukushima/AJ201211020069

2012年11月5日月曜日

Japan:Violation of Human Right,Fukushima 福島は人権侵害と国連人権理事会勧告

以下、新たな動きと前進です。現在の日本政府の対応が明確に「人権侵害」であると勧告。ふくしま集団疎開裁判、ヒューマン・ライツナウなどが懸命に働きかけてきた結果です。また政府、福島県内に限らず、広く放射線被害や被曝に対しての人々の意識喚起と、「これは、おかしな事態なのだ」「自分の無頓着さがこの事態に加担しているのだな」という認識につながるとよいのですが。

●2012年11月3日朝日「福島住民の健康管理守れ 国連人権理事会が勧告」
 

日本の人権政策について、各国が質問や勧告(提案)ができる国連人権理事会の日本審査が終わり、2日、各国による計174の勧告をまとめた報告書が採択された。福島第一原発事故について、住民の健康の権利を擁護するよう求める勧告が盛り込まれた。

普遍的定期審査(UPR)と呼ばれ、加盟国すべてに回る。日本は2008年以来2回目で、討論には79カ国が参加。法的拘束力はないが、日本は来年3月までに勧告を受け入れるかどうかを報告するよう求められる。

福島事故をめぐり、オーストリアだけが「福島の住民を放射能の危険から守るためのすべての方策をとる」よう求めた。日本は、11月中に健康の権利に関する国連の特別報告者の調査を受け入れると表明した。

Human rights now より
  “福島・11月に、国連「健康に対する権利に関する特別報告者」が来日、原発事故後の放射能影響下にある、子どもをはじめとする周辺住民の「健康に対する権利」の実態を調査”
http://hrn.or.jp/activity/project/cat11/shinsai-pj/fukushima/11/ より。以下紹介しておきます。

「国際人権NGOヒューマンライツ・ナウは、市民団体等とともに昨年、国連人権高等弁務官事務所と、国連の独立専門家にあてて、この問題に関する事実調査ミッションの派遣を要請する書簡を送りました。こうした動きを受けて、今年11月15日から26日まで、国連「健康に対する権利に関する特別報告者」のアナンド・グローバー (Anand Grover) 氏らが来日、原発事故後の放射能影響下にある、子どもをはじめとする周辺住民の「健康に対する権利」の実態調査を行うことになりました。東京・福島等において様々な聴き取り調査を行う予定です。
国連「健康に対する権利に関する特別報告者」は、2002年の国連決議によって発足した特別手続により、国連人権理事会によって選任される独立専門家であり、世界中の健康に対する権利の侵害や問題状況に関し、事実調査・勧告を行っています。
今回は福島原発事故・東日本大震災以降の健康を取り巻く状況を調査する予定であり、日本に対して勧告を出すことが予想されています。
 日程の詳細は公表されていませんが、特別報告者は政府機関、福島県等に対する聴き取りを行う予定であり、併せて、福島在住者、避難者(自主避難者を含む)に対する聴き取りや市民社会との会合も希望されています。
ヒューマンライツ・ナウは、原発事故後の周辺の住民に対する政府・県の施策が、国際水準からみて著しく不十分かつ問題があり、対応が遅れていること、人々が健康不安に苦しみ、かつ声を上げにくい状況に置かれていることを指摘し、改善を提言してきました。今回の調査を通じて、国連から国際水準に基づく適切な提言がなされ、現状の改善につながることを期待しています。」

2012年11月4日日曜日

Uranium mine&indigenous peoples in Australia  ウラン鉱山と先住民

 オーストラリアの先住民と「核」実験・ウラン鉱山についての映像 
Out of site, Out of mine
(日本語字幕つき)

 
      Uranium mine&Indigenous peoples in Australia.Japan is one of the main client .

「福島原発で使われていたウランも先住民の土地から輸出されたものです」
 
「わたしたちは、じぶんたちの土地から出たもので、だれも死なせたくないのです」
 
 
先日、オーストラリアの環境活動をしている人たちと、おはなしする場があり、教えていただいた映像です。日本とオーストラリアの間では1972年に日豪原子力協定が結ばれ、日本の原発で使われていたほぼ100%のウランをオーストラリアからの輸入に頼っていました。オーストラリアのウラン総輸出の4分の1を占めています。また鉱山開発のための会社自体も、日本の電力会社が出資をして共同開発にあたっています。
オーストラリアには商業用原発はないそうですが(シドニー近くに実験用小型原子炉が一基がある)、このウラン鉱山付近の放射性物質による汚染がとても深刻なのだそうです。原発がない国と思って、関東から移住された方も、もっていった線量計の測定値が場所によっては非常に高くでて驚くといっていました。また、ウラン鉱山は先住民の土地を奪って開発されたところ。

原発は、はじまりからさいごまで差別に支えられているといわれていますが、ほんとにそのとおり。

単にエネルギー、環境問題にとどまらず人種問題と植民地支配の問題も複雑にからみあって、若いひとたちの運動のなかでも「反核」はもっとも大事なイッシューとのことでした。
 
また、政府は核実験での先住民の被害を謝罪したにも関わらず、昨年10月にオリンピックダムという世界最大級のウラン鉱山を拡張するという計画を発表したそうです。今年7月には大々的な抗議行動がありました。後、この拡張計画はストップしたとのこと。豪州鉱山拡張計画:PARC
http://www.parc-jp.org/teigen/2011/roxstop-action.html

「日本の原発が全停止したおかげです」といわれて複雑な気持ちになりました(日本の反原発運動もこれだけの事故を受けてからおこったもの。時々、これまでの事故前の原発の存在などすっかり忘れた、あの呆けた空気を思いだすと恥ずかしくなります...とくとくと偉そうに語れたものではありません)。

また鉱山拡張は中止になったあとも労働党政権はインドへのウラン輸出を推進するなど、予断をゆるさない状況だそうです。

今年7月のニュース。はじめて知りました。砂漠の中を歩き、BHP Billiton(鉱山会社)をブロッケードする抗議行動。 Think Globaly,Act Localy !と掲げています
 
 
Rizards Revege 「とかげの逆襲」プロジェクト。とかげは先住民の守護神。ウランがみつかる場所は古くから先住民の言い伝えで「禁忌の場所」。決して近づいてはいけない所だったそうです。

Dirty Deeds by BHP at Lizards Revenge
すごすぎる。こういう形で環境問題を考える若い層がけっこう、厚いそうです。
 
 
 
 






 
 

2012年11月2日金曜日

福島原発告訴団一万人を超えました

この夏から秋にかけてよびかけられた福島原発告訴団の第二次のしめきりが10/31にすぎました。昨日集計で10894名と、目標の1万名を超えているそうです。
おそらく原子力災害、公害史上でも、もっとも大きな「告訴を」の声になるのでは。

この夏以降、各地で「未曾有の事故に、未曾有の無責任」な原子力行政・東電に対して、責任追及の声が、またたくまに、静かに広まっていきました。団長の武藤類子さんの訥々としているけれども、ぶれることのない、しずかないきどおり。ひたむきで、黙々とした列島行脚。即座に、この告訴の意味をのみこみ、各地で説明会をひらいた、無数・無名のひとたちの気配がひしひしと感じられました。そこには「もうひとつの列島地図」が見えたような気がしました。

これから告訴人は12000名に達するのでは?とも予測されています。被告訴人・被告発人(捜査対象となり、責任を追及される側)33名には、あの斑目氏、山下俊一氏もふくまれています。
罪状は「業務上過失致死」と「公害犯罪処罰法」(*1)など。今後は11月15日に福島地検に提訴です。

また、これから、被曝させられた私たちには、さまざまな有形無形の「被害」がいやおうなく顕在化してきます。この一年数か月ですでに、被曝を否認する人とそうでない人、どう対処するかという立場のちがいで、距離が生まれ、傷つけあい、いがみあい、面子をはりあい、ねたみあい、そねみあい...多くの亀裂がはしっています。

人々の分断で、免責されるのはつねに強者。原子力行政と東電。
これからにむけて責任所在をはっきりさせておくこと。敵をはっきりさせておくこと。

いま「この時」に、おおきな楔を打つことにもなったと思います。

福島原発告訴団
http://kokuso-fukusimagenpatu.blogspot.jp/

*公害犯罪処罰法・1970年代に制定。公害時代の「遺産」ともいわれている。以下詳細。
http://blog.goo.ne.jp/zzyukio8989/e/935c7753e03241781b27134e90c541f6

栗原貞子と広島・復興/ニッポン・ピロシマ・あは・あは・あはSadako Kurihara,Poet in Hiroshima

 栗原貞子は広島の詩人。戦前はアナキストとして活動をしていましたが広島にもどり爆心地4キロで被爆。戦後も広島で詩作をつづけます。なかでも1940年代に書かれた、壕のなかで瀕死の状態で、赤ん坊をとりあげる産婆を描いた「生ましめんかな」や、原爆の被害だけでなく日本の加害性に踏み込んだ「ヒロシマというとき」が有名です。ここ数カ月栗原貞子の数編を読み返し、あまりによくしられた二つの詩の間で「空白」のようにされてしまっている、ひとつのとても重要なテーマがあることに気が付きました。

Sadako Kurihara (栗原 貞子, 1913–2005) was an anarchist,poet,feminist who lived in Hiroshima and survived the atomic bombing during World War II.



それはおもに1970年にさしかかるころ、広島の「都市」としての復興の完成時、被爆の体験が「物質的」にも塗りこめられていくことへの「狂気」すれすれの「にっぽん、ピロシマ」「偽装都市」などの一群の詩です。


 ニッポン、ピロシマ        栗原貞子

 ピロシマの市長は
 タキシードの好きな
 年老いた狐である
 白い手袋をはめて
 英語まじりの演説をする
 「ピース」「ピース」

 ピロシマの市長は

 ピロシマの奥座敷に
 動物園を作り
 世界の珍獣をあつめて
 八月六日に開園する

 ご存知、八月六日は
 ヒロシマの市民が、熱線にあぶり殺された日
 七つの川を死体で埋めた日
 破れた皮膚をぶらさげて
 群列となって逃れる途中
 みちばたに倒れて悶死した日。

 ピロシマの市長にとって
 八月六日は盛大なふぐの供養の日である
 皮をはがれた死体を山に積み
 石油をかけて焼いた日である
 安らかに眠れ「ピース」「ピース」
 祭文は電波にのって
 世界中に流される
 最高のおまつりである

 だからこどもたちには
 双こぶらくだや、黒い犀をふるまい
 大人のためには
 生肝を抜きとるために
 東京から目玉をむいた
 怪獣を招いて
 祭壇の前で演出させるのだ

 ニッポン・ピロシマ 
 あは・あは・あは



註)この夏には、佐藤首相が初めて慰霊碑に参拝した。                                               


(1971、8月「広島通信」)

この日、夏にはめずらしく、暴風雨が中国地方をおとずれたそうです。いうまでもなくこの26年前、広島の残留放射線は、枕崎台風によってなかったことにされhttp://blog.acsir.org/?eid=19 そこに都市復興の暴力が糊塗されます。佐藤栄作は非核三原則をかかげつつ秘密裏に将来的な原発を含む核政策について検討していました。

ちなみにこの1971年には福島第一原発1号炉が臨界に達し運転が開始。26年目にして被爆者援護法がやっと国会に上程されるかたわらで、広島湾・似島で大量に埋まっていると囁かれていたヒバクシャの遺骨発掘がはじまっています。ニッポン・ピロシマ・あは・あは・あは。このリフレインの「狂気」が、いまよみがえります。

先月、東京では東京オリンピック以降48年ぶりにIMFと世銀総会が「復興」を旗印にひらかれました。16万人が今も避難中。二度目の冬をむかえようとしているそのただなかで。IMFの勧告によって政府は消費税をひきあげただけでなく、投資を呼び込もうとし東京は都市としての対面をたもとうとしています。その陰で、東京や首都圏の放射能汚染はないことにされていこうとしています。偽装都市・東京 あは・あは・あは。

ニッポン トウキョウ

あは・あは・あは


ニッポン トウキョウ

あは・あは・あは



です。